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だ体
「だ体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
だ体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
、彼は始は眼を疑って、高麗剣《こまつるぎ》の柄《つか》にこそ手をかけて見たが、ま
だ体は悠々と独木舟の舷に凭せていた。
その内に舟は水脈《みお》を引いて、次第に....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
していた。
「いいえ、轢かれてしまってからも、夢の中ではちゃんと生きているの。た
だ体は滅茶滅茶《めちゃめちゃ》になって眉毛だけ線路に残っているのだけれども、……....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
の最も卑しむべきはいうまでも無いことである。そう思うて見ればわが今夜の醜態は、た
だ体を卑しくしたのみで、心を卑しくしたとはいえないのであろうか。しかし、心を卑し....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
さんに別れて帰るさの愉快は、まるで体が宙を舞って流れるような思いでした。今でもま
だ体がふわふわ浮いてるような思いでおります。わたしのような仕合せなものはないと思....
「海底大陸」より 著者:海野十三
よ、あの子供たちは」 「はーん、あれは子供なんですか」 「そうです、子供です。ま
だ体の発育期でしてな、礼儀もなんにも教えてないんです」 「ははあ、この国でもやは....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
たんだ。兇器が屍体付近にないのだから、明白な他殺だよ。それに、こんな低温の中でま
だ体温が残っているし、硬直が始まり掛けたところだからね。絶命はたぶん四時前後だろ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
礼に続く谷の路でございましょう。その谷の方に寄った畳なら八畳ばかり、油が広く染ん
だ体に、草がすっぺりと禿げました。」 といいかけて、出家は瀬戸物の火鉢を、縁の....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
るな、と悟りましたが、かねて想像して居たのとは異って、格別鼻が高い訳でもなく、た
だ体格が普通人より少し大きく、又眼の色が人を射るように強い位の相違で、そしてその....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
」 「又あしたでも、……きょうは青山まで出かけるのだから」 「ああ、あすこ? ま
だ体の具合は悪いの?」 「やっぱり薬ばかり嚥んでいる。催眠薬だけでも大変だよ。ヴ....
「風波」より 著者:井上紅梅
分自身を指折の人物と信じているのに、人前で女からこんな風にコキおろされてははなは
だ体裁が好くない。そこでぜひなく頭をあげて愚図々々言った。 「お前は今こそそんな....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
やないか」 脈はたしかに打つている。念のために、首筋へ手を突つ込んでみると、ま
だ体温もある。雪明りへ顔を向け直そうとすると、眉がぴりぴりと動き、唇がかすかに物....
「著作権の問題」より 著者:伊丹万作
きが活溌になつてくると同時に、映画界もようやく長夜の眠りから覚めて――というとま
だ体裁がよいが、実はいやおうなしにたたき起された形で、まだ眠そうな眼をぼんやりと....
「城」より 著者:カフカフランツ
屋へ出かけていった。すぐ薄いドアは破られた。助手たちは、こんなすばらしいことはま
だ体験したことがないかのように歓喜し、たがいに追いかけ合ったり、身体をつつき合っ....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
却ってあとには残らんでしょう」 「どうしてそんなことを……」 「僕は自分で苦しん
だ体験に無いことは、自分で信じもせず、また人にも云えぬようになっていますね」 ....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
てそのほうがいけないんだっていいますわ。――そればかしでなく、お酒をたくさん飲ん
だ体は、お酒の気が切れると、いざどこが悪いとなったってそのまんまじゃァ薬だって効....