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「と金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

と金の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
変《たいへん》です! 助けてください! あの河童はわたしを殺そうとするのです!」と金切《かなき》り声を出して叫びました。もちろん大きい雄の河童はたちまち小さい河....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
く泣き始めた。すると何故《なぜ》か黙っていたお蓮も、急に悲しい気がして来た。やっと金《きん》さんにも遇《あ》える時が来たのだ、嬉しい。嬉しい。――彼女はそう思い....
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
した。ただ、それがいつもの哄然たる笑声に変らなかったのは、先生の見すぼらしい服装と金切声《かなきりごえ》をあげて饒舌《しゃべ》っている顔つきとが、いかにも生活難....
路上」より 著者:芥川竜之介
の下宿の二階で、窓際の西洋机《デスク》の前へ据えた輪転椅子に腰を下しながら、漫然と金口《きんぐち》の煙草《たばこ》を啣《くわ》えていた。彼の前には読みかけた書物....
早春」より 著者:芥川竜之介
《はちゅうるい》の標本室《ひょうほんしつ》である。中村はそこへはいる前に、ちょっと金の腕時計を眺めた。腕時計の針は幸いにもまだ二時になっていない。存外《ぞんがい....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
》のある高麗剣《こまつるぎ》を佩《は》いている事は、その竜の首が朦朧《もうろう》と金色《こんじき》に光っているせいか、一目にもすぐに見分けられた。 大男は腰の....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
には経文《きょうもん》と一しょに、阿弥陀如来《あみだにょらい》の尊像が一体、端然と金色《こんじき》に輝いていました。これは確か康頼《やすより》様の、都返りの御形....
百合」より 著者:芥川竜之介
けぶ》った雑木林《ぞうきばやし》があった。良平はそちらへ駈けて行こうとした。すると金三は「こっちだよう」と一生懸命に喚《わめ》きながら、畑のある右手へ走って行っ....
或る女」より 著者:有島武郎
成功して、第一流の実業家に成り上がるにきまっている。これからはなんといっても信用と金だ。官界に出ないのなら、どうしても実業界に行かなければうそだ。擲身《てきしん....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
太陽がこれを助長するときは増大し、これが反対に働くときはその力を弱められる。火星と金星が出会うと雨が降り、木星と水星とが出くわせば雷電風雨となる。またもしこれら....
人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
手にとるようにみえました。うろこをむらさき紅の色に光らせてくるのもありました。銀と金の色にかがやいてくるものもありました。――ちょうど、広間のまん中のところを、....
近藤浩一路氏」より 著者:芥川竜之介
常としている。二種の流俗が入り交った現代の日本に処するには、――近藤君もしっかりと金剛座上に尻を据えて、死身に修業をしなければなるまい。 近藤君に始めて会った....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
散るように濡れたと思うと、松の梢を虚空から、ひらひらと降って、胸を掠めて、ひらりと金色に飜って落ちたのは鮒である。 「火事じゃあねえ、竜巻だ。」 「やあ、竜巻だ....
活人形」より 著者:泉鏡花
て、夏とはいえど、風|冷々と身に染みて、戦慄と寒気のさすほどに、酔さえ醒めて茫然と金時は破垣に依懸り、眠気つきたる身体の重量に、竹はめっきと折れたりけり。そりゃ....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
を要するなりと言えり。 彼の人又言えり。釣に適したる、一たび鈎を投ずるを惜むこと金の如く、投ずれば、必ず好結果を期待して誤らず。恰も、台湾|生蕃の、銃丸を惜む....