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のんびり
「のんびり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
のんびりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
、今もやはり、そのころと同じ樹木が茂っており、同じひとびとがその奥まったところに
のんびり暮しているのではないかと思う。 この自然界の片隅に、アメリカの歴史がは....
「女仙」より 著者:芥川竜之介
へ出て見ると、何かこの若い女の罵っている声が聞えました。それはまたどこかの庭鳥が
のんびりと鬨を作っている中に、如何にも物ものしく聞えるのです。書生はどうしたのか....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
ったりした。少年らしい顔をしたA中尉もやはり彼等の一人だった。つゆ空に近い人生は
のんびりと育ったA中尉にはほんとうには何もわからなかった。が、水兵や機関兵の上陸....
「路上」より 著者:芥川竜之介
、その太い指の先でちょいと大島の襟を直しながら、細い鉄縁《てつぶち》の眼鏡越しに
のんびりと俊助の顔を見た。
「何にする? 珈琲か。紅茶か。」
「何でも好い。――....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ございましたから、私の処女時代は、全く苦労知らずの、丁度春の小禽そのまま、楽しい
のんびりした空気に浸っていたのでございます。私の幼い時分には祖父も祖母もまだ存命....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
が、往き還り何時もぐらぐらと動く。橋杭ももう痩せて――潮入りの小川の、なだらかに
のんびりと薄墨色して、瀬は愚か、流れるほどは揺れもしないのに、水に映る影は弱って....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
りかかった松崎を見ると、高らかに一声鳴いた。 太陽はたけなわに白い。 颯と、
のんびりした雲から落かかって、目に真蒼に映った、物置の中の竹屋の竹さえ、茂った山....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
ったのである。 小店の障子に貼紙して、 (今日より昆布まきあり候。) ……
のんびりとしたものだ。口上が嬉しかったが、これから漫歩というのに、こぶ巻は困る。....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
都合で裾野の方へ一夏まいりまして、朝夕、あの、富士山の景色を見ますにつけ……つい
のんびりと、一人で旅がしてみたくなったんです。一体出不精な処へ、お蔭様、店も忙し....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
で、帳場へ通じて取寄せようか、買いに遣ろうかとも思ったが、式のごとき大まかさの、
のんびりさの旅館であるから、北国一の電話で、呼寄せていいつけて、買いに遣って取寄....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
身の姿なのであつた。 まことに情ない事実ではあるが、しかしこの発見はやがて私に
のんびりとした安心をもたらした。それは、もはやいかなる場合においても自分はこれよ....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
までいいツていうのだよ」 枕もとに木の根ツこみたいに坐つた千代助は落着き払つて
のんびりと話をすすめた。 「どこの家だ、それは」 「杉淵の清五郎の姉娘だ」 「え....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
の港である。波止場には白い服、黒い高い帽子をきた朝鮮人たちが、長ぎせるをくわえて
のんびりと座っている。青い空。仁川の町のうしろには白っちゃけたゆるい丘が横たわっ....
「あのころ」より 著者:上村松園
うなっている仕末でした。 息子の呑気さに輪をかけたように、その貸本屋の老夫婦も
のんびりとしたいい人達でした。 いつでも店先で、ぼんやりと外を眺めていましたが....
「女の話・花の話」より 著者:上村松園
えたり、畠地、小流れ、そんなものがあって、時々人にも出逢いますし、何ともいえない
のんびりしたところです。 ですから、そういう景色を好む人なら、少しも退屈どころ....