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「はだかる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

はだかるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
陽炎座」より 著者:泉鏡花
十三 樽を張子で、鼠色の大入道、金銀張分けの大の眼を、行燈|見越に立はだかる、と縄からげの貧乏|徳利をぬいと突出す。 「丑満の鐘を待兼ねたやい。……....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
すでございますが。」 と立塞がるように、しかも、遁すまいとするように、框一杯にはだかるのである。 「ちょっとお呼び下さいませんか。」 ああ、来なければ可かっ....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
、あはははは、おほほほほほ。」 そこを両脇、乳も、胸も、もぞもぞと尾花が擽る!はだかる襟の白さを合すと、合す隙に、しどけない膝小僧の雪を敷く。島田髷も、切れ、....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
きにぬっと立ち、腰を張って土手を下りた。この方が掛り勝手がいいらしい。巌路へ踏みはだかるように足を拡げ、タタと総身に動揺を加れて、大きな蟹が竜宮の女房を胸に抱い....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
すぐお目にかからねばなりません」 牝牛のように身体の大きなエミリーは戸口に立ちはだかる枯木のようなガロ爺やをぐんぐん押し戻して、浴槽の傍まで入ってきた。 「エ....
ある完全犯罪人の手記」より 著者:酒井嘉七
歩いて来る人間がある。気づいて、はッとした瞬間彼はもう目の前にいた。私の前に立ちはだかるように立ち止って私の面を真正面から凝視している。赤沢荘三郎である。一瞬、....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
る。おまけに、自分の後から走ってくる奴もある。ハサミウチではゼヒもない。門に立ちはだかる白衣の人垣を泣きほろめいて掻きわけるところを、ムンズと襟クビつかまえられ....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
いる姿が見えました。――ダッと走り寄って、捕り手の小者達のうしろに颯爽として立ちはだかると、叫んだ声のりりしさ爽やかさ、退屈男の面目、今やまさに躍如たるものがあ....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
気味わるく静かにうしろから呼びかけて、のっそりと主水之介がその顔の真ん前へ立ちはだかると、あとは無言でした。黙ってにんめり打ち笑みながら、ぬうと向うの顔へこっ....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
休息を取ってから、旅をつづけた。例の橇はまだ見えており、ちょっとのあいだ前に立ちはだかる氷の岩山で見えなくなる時以外は、それを二度と見失うようなこともなかった。....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
気軽に太鼓をうったり、気軽の亀さんが髪髯蓬々とした面をかぶって真面目に舞台に立ちはだかる。「あ、ありゃ亀さんだよ、まァ」と可笑しざかりのお島がくつ/\笑う。今日....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
してニッとして残忍な笑い方をしましたが、背中を行燈の方に向けて、幸内の枕許へ立ちはだかるようにしてしまったから、何をするのだか挙動が少しもわからないが、ただ懐《....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
でこちらのほうを眺めている。 顎十郎は藤波のそばへ行って、のそっとその前に立ちはだかると、 「これは、これは、藤波さん、暑中にもかかわらず御爽快のていでまず以....
金狼」より 著者:久生十蘭
、下の扉があいて、乾が出てきた。紗の羽織の裾をくるりとまくって、久我のまえに立ちはだかると、 「やっとすみましたよ。……馬鹿な念のいれようだ、下らん。……それは....
石狩川」より 著者:本庄陸男
は無かった。 彼は提《さ》げていた刀をすとッと腰におとし、そこの座敷廊下に立ちはだかるようにして手を拍《う》った。座敷にたまっていた人々の声も静かになった。か....