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はにかみ屋
「はにかみ屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
はにかみ屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
はっきりと思い出すことが出来ます。
僕はその時から前より少しいい子になり、少し
はにかみ屋でなくなったようです。
それにしても僕の大好きなあのいい先生はどこに....
「親という二字」より 著者:太宰治
くですよ。クソ真面目《まじめ》な色男気取りの議論が国をほろぼしたんです。気の弱い
はにかみ屋ばかりだったら、こんな事にまでなりやしなかったんだ。」 われながら愚....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
、七つで尋常一年生になった。始業式の日にもう泣いて帰ったから、お君は日頃の豹一の
はにかみ屋を思い出し、この先が案じられると、訊けば、同級の男の子を三人も撲ったの....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
いう合図の為に揚げる手を、決して揚げなくなってしまった。 幼稚園時代の極端な、
はにかみ屋が、又復活して、これは、その後――今日も猶、つづいている。座談会などへ....
「千世子(二)」より 著者:宮本百合子
を読まれた事に対して何か云わなければならない様な気持が満ち満ちて居た。 けれ共
はにかみ屋の小娘の様に口に出しては何事も云わなかった、そして母親と三人で一番近く....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
いて、あまりつきあいもしませんが、ぼっちゃんは、いい子で遊びにきたいらしいけど、
はにかみ屋だもので、遊びに来れないらしいというようなことが話されました。すると、....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
らし、お賽銭をあげて、暫く瞑目最敬礼する。お寺が何宗であろうと変りはない。非常な
はにかみ屋で、人前で目立つような些少の行為も最もやりたがらぬ人だったのに、これだ....
「雨」より 著者:織田作之助
った顔は女教師たちに可愛がられていたが、自分の身なりのみすぼらしさを恥じていた。
はにかみ屋であったが、一週間に五人ぐらい、同級の男の子が彼に撲られて泣いた。子供....
「火の扉」より 著者:岸田国士
う意味でね。だつてさ、わしはサイゴンではじめて聞いたんだが、フランス人は、極端な
はにかみ屋のことを、野ばん人つていうんだぜ」 こんな会話をつゞけているうちに、....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
女らをみんな連れて近所の水車用水池の堤を散歩したりしたのだ。しかも、そのあいだ、
はにかみ屋の田舎娘たちはおずおずしてうしろのほうにかくれ、彼のすぐれた上品さや応....
「酒徒漂泊」より 著者:佐藤垢石
したのである。 ところがだ、何たることだろう。貧乏でありながら、日ごろ見え坊で
はにかみ屋の玉汗は、眼と眼で私らに何の打ち合わせもしないで、 『いえもう、さきほ....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
子供っぽい表情と、二つの表情の交錯する顔を持っていた。 それに、都会人らしく、
はにかみ屋で、人なつこく、気が弱そうで、ふと冷酷なところもあり、そしてまた、軽薄....
「随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
かしては下りてゆくが、その「酔っぱらい」にしても! だ。あの調子っ外れで、いやに
はにかみ屋で、妙にきちんと両手を膝にのせて、諷《うた》う時決まって不自然に右手を....
「冒した者」より 著者:三好十郎
良いし、素直で重厚な人がら故、相当の物を書いていると思う。ただ、どこか女のように
はにかみ屋なので、読んでくれと言って持って来れないらしい。そうだ、人と言えば、そ....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
だが、ふとした原因からそれが埋もれていた。若い頃はしとやかで優しくて、また非常に
はにかみ屋であった女たちが、年を取るときまってやかましく、またきつい人になること....