ばた足[語句情報] »
ばた足
「ばた足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ばた足の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「花火」より 著者:太宰治
いますか、妹が来たと申し伝えて下さい、と怯《お》じずに言った。やがて廊下に、どた
ばた足音がして、 「や、図星なり、図星なり。」勝治の大きな声が聞えた。ひどく酔っ....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
見つめておった。自分も声を掛けなかった、三人も菓子とも思わなかったか、やがてばた
ばた足音がするから顔を出してみると、奈々子があとになって三人が手を振ってかける後....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
げっと》が草鞋《わらじ》を脱いでいる。二人共腰から手拭《てぬぐい》を出して、ばた
ばた足をはたいている。そうして、すぐ上がって来た。足を洗うのが面倒だと見える。と....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
《おろし》に、腹の底まで冷えあがったタヌは、そろそろ肝の虫を起こしたとみえ、ばた
ばた足踏みをしながら、 「もっと、ジャンジャン鳴らしましょうか」というのに、コン....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
りのと、気の利いた役者じゃありませんや、きっと放火だ、放火だ、放火だ。」 ばた
ばた足の責太鼓、鼕々と打鳴らいて、かッかと笑い、 「何、それも、どさくさ紛れに葛....
「上海」より 著者:横光利一
つかまえた。 「参木、あなたはあたしから逃げるんだわ。いやだ、いやだ。」 ばた
ばた足を踏みながら、彼女は彼の手を濡れた顔へ押しつけた。参木はしばらく黙って立っ....