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「ひそひそ話〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

ひそひそ話の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
電燈に照らされた、隣の茶の間へ帰って来た。 茶の間にはやはり姉や洋一が、叔母とひそひそ話していた。それが彼の姿を見ると、皆一度に顔を挙げながら、何か病室の消息....
老年」より 著者:芥川竜之介
で一緒に小用《こよう》を足して、廊下づたいに母屋の方へまわって来ると、どこかで、ひそひそ話し声がする。長い廊下の一方は硝子障子《ガラスしょうじ》で、庭の刀柏《な....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
で、西瓜《すいか》の皿を前にしながら、まるで他聞でも憚《はばか》るように、小声でひそひそ話し出した容子《ようす》が、はっきりと記憶に残っています。そう云えばもう....
或る女」より 著者:有島武郎
お腹《なか》が……早く出て……早く……」 事務長は木村を呼び寄せて何かしばらくひそひそ話し合っているようだったが、二人ながら足音を盗んでそっと部屋を出て行った....
或る女」より 著者:有島武郎
サルンの一隅《いちぐう》に陣取って酒と煙草《たばこ》とにひたりながら、何か知らんひそひそ話をしていた数人の人たち――人を見ぬく目の鋭い葉子にもどうしてもその人た....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
縁側に忍んでいると、内では七蔵が眼を醒ましたらしかった。そうして、喜三郎となにかひそひそ話し合っているらしかったが、やがて再び障子がそっとあいたので、お関は碌々....
婦系図」より 著者:泉鏡花
分けて、 「直接に攫徒に渡してやるもいかがなもんだよ。何よりもだね、そんな盗賊とひそひそ話をして……公然とは出来んさ、いずれ密々話さ。」 誰も否とは云わんのに....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ったんだ」 「立ち聴きさ。あんたが、曲馬団にくるまえケプナラがやってきて、親方とひそひそ話をやっていた。うちの親方だって、猶太仲間だから」 「いったい、猶太人が....
春昼」より 著者:泉鏡花
は、こちとら、その、も一ツの甕の朱の方だって、手を押つけりゃ血になるだ、なぞと、ひそひそ話を遣るのでござって、」 「そういう人たちはまた可い塩梅に穿り当てないも....
四次元漂流」より 著者:海野十三
さんが、ほとんど総出の形で、どの家かの勝手口の門の前に三四人ずつかたまって、何かひそひそ話をしながら、通りへ眼をくばっていた。中には、娘さんや奥様の姿もあった。....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
たように、部屋へ下って臥りましたそうな。お昼|過からは早や、お邸中寄ると触ると、ひそひそ話。 高い声では謂われぬことだが、お金子の行先はちゃんと分った。しかし....
燕と王子」より 著者:有島武郎
おしおとして御返事もしないでいますと、だれか二人王子の像の下にある露台に腰かけてひそひそ話をしているものがあります。 王子も燕も気がついて見ますとそこには一人....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
自動車を帰して、なるべく人の眼に立たないような椰子の林のなかへはいり込んで、何かひそひそ話しているところへ、かの梁福が突然に出て来たんです。」 「二人のあとを尾....
変身」より 著者:カフカフランツ
っかり静まり返っていた。おそらく両親は支配人といっしょにテーブルのところに坐り、ひそひそ話しているのだろう。それとも、みんなドアに身をよせて、聞き耳を立てている....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
懐中時計を二円で売った。 こうして戦々恐々としているある夜のこと、隣りの座敷のひそひそ話が気になり、ふすまごしに聞き耳を立てると、聞いた声と思ったのも道理、広....