» へぼ

「へぼ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

へぼの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
思い耽《ふけ》っている彼だった。しかも眼だけはその間も、レクラム版のゲエテの詩集へぼんやり落している彼だった。…… 「兄さん。試験はまだ始らなかった?」 慎太....
日光小品」より 著者:芥川竜之介
がずーうっとまっすぐに流れ出す。流れ出すと、炉の下の大きなバケツのようなものの中へぼとぼとと重い響きをさせて落ちて行く。バケツの中がいっぱいになるに従って、火の....
野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
とおりの歌をいまでもうたう。ここにぼくたちのうまれた国があるのだ。どうしてもここへぼくたちは心がひかれるのだ。そうしてここへ来たおかげで、とうとう、かわいいいも....
海異記」より 著者:泉鏡花
いた。良人が乗った稲葉丸は、その下あたりを幽な横雲。 それに透すと、背のあたりへぼんやりと、どこからか霧が迫って来て、身のまわりを包んだので、瘠せたか、肥えた....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
ていたら、影法師のような小さなお媼さんが、杖に縋ってどこからか出て来て、畑の真中へぼんやり立って、その杖で、何だか九字でも切るような様子をしたじゃアありませんか....
朱日記」より 著者:泉鏡花
呼ぶのであろう?…… 「しょんぼりしている。小使溜に。」 「時ならぬ時分に、部屋へぼんやりと入って来て、お腹が痛むのかと言うて聞いたでござりますが、雑所先生が小....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
にあいた中に、月影かと見えたのは、廂に釣った箱燈寵の薄明りで、植込を濃く、むこうへぼかして薄りと青い蚊帳。 ト顔を見合せた。 急に二人は更ったのである。 ....
怪星ガン」より 著者:海野十三
約したよ」 カークハム氏はにっこり笑った。 「救援艇の出発一時間まえまでに、社へぼくをたずねてきてくれたまえ。それまでにこっちはいっさいの準備と手続きをしてお....
恐竜島」より 著者:海野十三
ていた。 一方玉太郎の方は、崖下にころがり落ち、スコールが作ったにわかの川の中へぼちゃんと尻餅《しりもち》をついた。流れはいがいに強く、彼のからだはおし流され....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
もってことわっておくが、さびしくなったり、辛抱《しんぼう》が出来なくなって、地球へぼくを返して下さい、なんていってもだめだよ」 「そんなこと、誰がいうもんですか....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
います」 と、袋探偵は伯爵の顔を見るより早く云った。 これには伯爵も愕いた。へぼ探偵にちがいないと、昨日は内心がっかりしていたのに、予期に反してこの快報をも....
自叙伝」より 著者:大杉栄
順天中学校との五年の試験を受けた。 今はどうか知らないが、その頃の東京の私立のへぼ中学校では、ほとんど毎学年毎学期に各級の入学試験をやった。そしてその毎学期の....
巴里のむす子へ」より 著者:岡本かの子
力や気魄に就て探りを入れたのである。 「むすこは巴里の花形画家で、おやじゃ野原のへぼ絵描き……」 こんな鼻唄をうたいながら、お父様はこの頃、何を思ったかおまえ....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
れ、ふわりと消える、白い雲よりなお身も軽い、白雲師匠の秘伝を受けて、受けて返すはへぼ弓、へぼ矢、返らぬとかねて思えばあずさ弓、なき面に蜂のおかしさに、つい笑って....
判決」より 著者:カフカフランツ
の動きをぼんやりと目で追いながらゲオルクは言葉をつづけた。「やはりペテルスブルクへぼくの婚約のことを知らせてやることにしました」彼は手紙をポケットから少し引き出....