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ぺんぺん草
「ぺんぺん草〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ぺんぺん草の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ロマネスク」より 著者:太宰治
屋根を素通りしてそのおむかいの習字のお師匠の詫住《わびずま》いしている家の屋根の
ぺんぺん草をかきわけてぐさとつきささったのである。お師匠はかるがるとは返事をしな....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ほら、鐘楼の石がきにいくつもいくつもあんなでけえ穴があいておりますよ。おまけに、
ぺんぺん草がはえやがって、どこか気に入らねえお寺だね。……よッ。青坊主があっちで....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
それは一瞬です。よし墨田の大川に水の干上がるときがありましょうとも、江戸八丁堀に
ぺんぺん草のおい茂る日がありましょうとも、むっつり右門と名をとったわれらの名人の....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
まわして、知恵を削《けず》ろう。掛け引きでいこう。若松屋が倒れるか、磯五の屋根に
ぺんぺん草がはえるか――これは、われながら大芝居になりそうである。
と気がつく....
「郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
去の幼な友達であったところの、追懐を心象しているためであろう。それ故に三味線草(
ぺんぺん草)の可憐な花が、この場合の詩歌によく合うのである。句の前書には「琴心挑....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
らせっかく入ってるお客様が皆ずらかっちまわあ。明日ッからこの宮志多亭はな、屋根へ
ぺんぺん草を生やさなけりゃならねえや、このはっつけ野郎」 「すみませんごめん下さ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
って、あれから埋地にかかった橋の、欄干が真中で切れて水へ折れ込んでいようという、
ぺんぺん草の生えてる袂へ寄って、渡ろうとする時分にゃあ私が居る間近になったから見....
「棚田裁判長の怪死」より 著者:橘外男
き代り生まれ代って祟りをしてやれ。棚田大膳の家に三代たたぬ間に見ろ! この屋敷に
ぺんぺん草を生やしてくんど!」 そして僧はそのまま野原の方へ歩みを移してしまい....
「春心」より 著者:田中貢太郎
になにを云ってもわかるまいが、ほんとにしっかりせんと、鮫洲の大尽の山田も、屋根へ
ぺんぺん草が生えるぞ、しっかりしろよ、しっかり」 「しっかりするのだい」 「そう....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
には馬頭観音が立っているんですがね、いつか行って見た時には、まだ早春で枯草の中に
ぺんぺん草の花が咲いていましたよ。古い旅籠屋では油屋という、元は脇本陣だったそう....