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ほくそ笑む
「ほくそ笑む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ほくそ笑むの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
げていたんだぜ」と熊城は傲然と云い放って、自説と法水の推定が、ついに一致したのを
ほくそ笑むのだった。しかし、法水は弾き返すように嗤った。
「冗談じゃない。どうし....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
しい記録として、十年後、二十年後、僕が立派な口鬚でもひねりながら、こっそり読んで
ほくそ笑むの図などをあてにしながら、きょうから日記をつけましょう。 けれども、....
「三郎爺」より 著者:宮本百合子
首を捻っていた彼は、何と思ったのか急にそわそわしだすと、堪らなそうに首をすくめて
ほくそ笑むなり、どこへか駆け出した。そして瞬く間に六七人の仲間を引きつれて来ると....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
なんて」 と、だんだんセルカークは恐ろしげな顔になってゆく。しめた、と、折竹が
ほくそ笑むところへ、 「じゃ、なんでしょう。『大地軸孔』の怪焔も、おなじ意味合い....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
衡が撹乱されているので、われ等として、地上との交通に至難を感ずる。かかる場合に、
ほくそ笑むのは、低級未発達の悪霊どもである。かの投機的慾望によりて刺戟されたる無....
「潮風」より 著者:豊島与志雄
て仕様がないんだが、あんまり度々なので、もう諦めた。そしてただ一つ、ひそかに俺が
ほくそ笑むことがあった。それは金銭ということだ。一体二人が愛しあうようになって、....
「恋と十手と巾着切」より 著者:山中貞雄
く三次(移動)。 やがて一人の番頭とすれちがう。 それから又五六間行って三次
ほくそ笑む。 今の番頭から掏り取った紙入れを取り出し、中味を抜き取り、空の紙入....
「武蔵旅日記」より 著者:山中貞雄
傍に武者修業らしい武家一人。 おしまがじろッと侍の方を凄い眼で睨んで、 独り
ほくそ笑む。 と「茶代を置くよ」と言い捨てて立ち上る。 武家、つと懐に気附い....