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「ぼろ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

ぼろの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
親ごころ」より 著者:秋田滋
である。 その男は、その後も、例の二人の女と一しょに時折り教会へやって来た。おぼろげながら、遠いむかし、どこかで見たことのある、親しい顔であると思われるのだっ....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
厳しいと見えて、容易に在処を露《あらわ》さなかった。一度左近が兵衛らしい梵論子《ぼろんじ》の姿に目をつけて、いろいろ探りを入れて見たが、結局何の由縁《ゆかり》も....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
ようにも覚えている。が、どちらも確かではない。とにかく彼はえたいの知れない幻《まぼろし》の中を彷徨《ほうこう》した後《のち》やっと正気《しょうき》を恢復した時に....
」より 著者:芥川竜之介
した一年以前と変っていない。こう云う幸福な周囲を見れば、どんなに気味の悪い幻《まぼろし》も、――いや、しかし怪しい何物かは、眩《まぶ》しい電燈の光にも恐れず、寸....
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
争っていた。が、勇ましい大天使は勿論、吼《たけ》り立った悪魔さえも、今夜は朧《おぼろ》げな光の加減か、妙にふだんよりは優美に見えた。それはまた事によると、祭壇の....
袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
一体何をしていたのであろう。今になって考えると、それも遠い昔の記憶のように朧《おぼろ》げにしかわからない。ただ、すすり上げて泣いている間に、あの人の口髭《くちひ....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
も》わせる、ある夜の事でございましたが、その夜は珍しく月が出て、夜目にも、朧《おぼろ》げには人の顔が見分けられるほどだったと申します。若殿様はある女房の所へ御忍....
秋山図」より 著者:芥川竜之介
はわかりません。まさか先生が張氏の家へ、秋山図を見に行かれたことが、全体|幻《まぼろし》でもありますまいし、――」 「しかし煙客先生《えんかくせんせい》の心の中....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
って来るような心もちがした。それは想像も出来ないくらい、怪しい誘惑に富んだ幻《まぼろし》であった。彼は暮れかかる岩と森とを、食い入るように見据えたまま、必死にそ....
忠義」より 著者:芥川竜之介
、感じられた。「皆御家のためじゃ。」――そう云う彼の決心の中には、彼自身|朧《おぼろ》げにしか意識しない、何ものかを弁護しようとするある努力が、月の暈《かさ》の....
偸盗」より 著者:芥川竜之介
、すすき原といい、町家《まちや》といい、ことごとく、静かな夜空の下に、色も形もおぼろげな、ただ広い平面を、ただ、際限もなく広げている。それがまた、右京左京《うき....
女体」より 著者:芥川竜之介
だった事であろう。…… そんな事を漫然と考えている中に、楊の意識は次第に朧《おぼろ》げになって来た。勿論夢ではない。そうかと云ってまた、現《うつつ》でもない。....
」より 著者:芥川竜之介
》が出来ない次第ではない。一言にして云えばこの涙は、人間苦の黄昏《たそがれ》のおぼろめく中に、人間愛の燈火をつつましやかにともしてくれる。ああ、東京の町の音も全....
」より 著者:芥川竜之介
まう。雨の音の間《あいだ》を縫った、健康な赤児の泣き声に。――男はそう云う幻《まぼろし》の中にも、妻の読む手紙に聴き入っていた。 「重々御察し下され度、それにつ....
三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
カチュアを見たかったからである。わたしはよく承知している。銃を抱いたロビンソンはぼろぼろのズボンの膝をかかえながら、いつも猿を眺めてはもの凄い微笑を浮かべていた....