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「むき出し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

むき出しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
上にすえると、たちまち別人のように、凶悪なけしきになって、上下《じょうげ》の齒をむき出しながら、すばやく鉾《ほこ》をかまえて、威丈高《いたけだか》にののしった。....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
り高い気でいるから、傍《かたはら》痛い次第です。言わばあれは、猿が鏡を見て、歯をむき出しているようなものでしょう。自分で自分の下等なのに腹を立てているのですから....
犬と笛」より 著者:芥川竜之介
と思うと、もう口笛の声が森中にひびき渡って、一匹の斑犬《ぶちいぬ》が牙《きば》をむき出しながら、駈けて来ました。 「これは噛めという犬だ。この犬を相手にしたが最....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
時の平太夫の姿と申しましたら、とんと穽《わな》にでもかかった狐のように、牙ばかりむき出して、まだ未練らしく喘《あえ》ぎながら、身悶えしていたそうでございます。 ....
首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
あるいは敵を殺す事である。だから彼等は馬の頭を立て直すと、いずれも犬のように歯をむき出しながら、猛然として日本騎兵のいる方へ殺到した。すると敵も彼等と同じ衝動に....
」より 著者:芥川竜之介
また実際白の容子《ようす》は火のように燃えた眼の色と云い、刃物《はもの》のようにむき出した牙《きば》の列と云い、今にも噛《か》みつくかと思うくらい、恐ろしいけん....
或る女」より 著者:有島武郎
言葉がくいしばった歯の間から雷のように葉子の耳を打った。 あゝこの言葉――このむき出しな有頂点《うちょうてん》な興奮した言葉こそ葉子が男の口から確かに聞こうと....
或る女」より 著者:有島武郎
さは格別だった。仰向けになって、寒からぬ程度に暖まった空気の中に両手を二の腕までむき出しにして、軟らかい髪の毛に快い触覚を感じながら、何を思うともなく天井の木目....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
聞く事もせずにがたがた震える歯を噛《か》み合せて猿のように唇《くちびる》の間からむき出しながら仁右衛門の前に立ちはだかって、飛び出しそうな怒りの眼で睨《にら》み....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
の中をこいで行く君を見送った。君の黒い姿は――やはり頭巾をかぶらないままで、頭をむき出しにして雪になぶらせた――君の黒い姿は、白い地面に腰まで埋まって、あるいは....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
う驚くべき芸術家だろう。彼の心には習慣の痂が固着していない。その心は痛々しい程にむき出しで鋭敏だ。私達は物を見るところに物に捕われる。彼は物を見るところに物を捕....
出奔」より 著者:伊藤野枝
あの生命がけでその日その日を生きていく炭坑の坑夫のようなつきつめた、あの痛烈な、むき出しな、あんな生き方が自分にもできるのなら、こんなめそめそした上品ぶった狭い....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
けれど、おお寒い。」と穴から渡すように、丼をのせるとともに、その炬燵へ、緋の襦袢むき出しの膝で、のめり込んだのは、絶えて久しい、お妻さん。…… 「――わかたなは....
醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
顎を大きく開き、舌をだらりと出し、目はきらきら光らせているのです。そして鋭い歯をむき出しながら子家鴨のそばに鼻を突っ込んでみた揚句、それでも彼には触らずにどぶん....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
を吹くのをやめた。しかし、もっとよく見さだめると、それは木が雷にうたれて、白木がむき出しになっているのだとわかった。突然、唸り声がきこえた。彼の歯はがたがた鳴り....