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もと
「もと〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
もとの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ずらわしいことばかり多かった人生の余暇を静かに夢みながら暮すことができる隠居所を
もとめるならば、この小さな渓谷にまさるところは知らない。 このあたりには、もの....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
えどもファラデーのデビーを尊敬することは依然旧のごとくであったが、デビーの方では
もとのようにやさしく無かった。やがてデビーは病気保養のため、イタリアに転地などを....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
める。死なざりし事を幸いとして、東京神田万世橋の傍らへ下ろされたり。この時の予は
もとの新潟県下第一の豪傑穂垂周吉にあらずして、唖然たる癡呆の一書生なり。馬車の動....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
が出来たとしても、果して自分の息子だということが分るだろうか。二人はそう思うと心
もとない気がした。 広場という広場、往来という往来は、一つ残らず歩いてみた。人....
「寡婦」より 著者:秋田滋
気になどなれないほど、悲しい、悲しいことなんですの。私の一生の不幸もみんなこれが
もとなんです。私がまだごく若かった頃のことで、そのことを想うと、いまだに胸が一ぱ....
「狂女」より 著者:秋田滋
病気で隣室に寝ていることが耳に入れてあったので、彼のほうでも、そのことは別に気に
もとめなかった。ところが、そうこうするうちに、彼はその女がただの一度も姿を見せな....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
。生きんがために殺すこともあり、殺すために殺すこともある。――殺すということは、
もともと、われわれの気質の中にあるものなのだ。殺さずにはいられないのである。禽獣....
「初雪」より 著者:秋田滋
た青空を見上げたり、遠くエストゥレル山塊の気まぐれな峯の姿を眺めたり、また近く足
もとに寄せて来る静かな海の綺麗な紺碧の水にじッと視入ったりしていた。 やがて彼....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
勇気をとり直すと、片手にナイフを握りながら、片手に妙子の襟髪を掴んで、ずるずる手
もとへ引き寄せました。 「この阿魔め。まだ剛情を張る気だな。よし、よし、それなら....
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
見上げる。が、窓には誰も見えない。ただ逞《たくま》しいブルテリアが一匹、少年の足
もとを通って行く。少年の匂《におい》を嗅《か》いで見ながら。
....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
にもこの老人を甚太夫と誤って殺したのであった。
平太郎には当時十七歳の、求馬《
もとめ》と云う嫡子《ちゃくし》があった。求馬は早速|公《おおやけ》の許《ゆるし》....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
あるのでございましょう。」
「さようさ。それもありましょう。」
忠左衛門は、手
もとの煙管《きせる》をとり上げて、つつましく一服の煙を味った。煙は、早春の午後を....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
た。「癆咳の頬美しや冬帽子」「惣嫁指の白きも葱に似たりけり」――僕は蛇笏の影響の
もとにそう云う句なども製造した。 当時又可笑しかったことには赤木と俳談を闘わせ....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
目がまわったも怪しいもんだぜ。」
飯沼はもう一度口を挟んだ。
「だからその中で
もといっているじゃないか? 髪は勿論|銀杏返《いちょうがえ》し、なりは薄青い縞《....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
の御行方を嗅ぎ出せ。」と云いました。と、すぐに白犬は、
「わん、わん、御妹《おい
もとご》様の御姫様は笠置山《かさぎやま》の洞穴《ほらあな》に棲《す》んでいる土蜘....