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「やくざ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

やくざの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
事を悪夢のように忌みきらった。冒険の獲物《えもの》はきまりきって取るにも足らないやくざものである事を葉子はしみじみ思わされた。 こんな絶望的な不安に攻めさいな....
或る女」より 著者:有島武郎
たんだろう。女というはそうしたもんだ。木村に行きたくば行け、今行け。おれのようなやくざを構っとると芽は出やせんから。……お前にはふて腐れがいっちよく似合っとるよ....
親子」より 著者:有島武郎
な時があった。だから彼が赤面しながら紙と鉛筆とを取り上げたのは、そのまま父自身のやくざな肖像画にも当たるのだ。父は眼鏡の上からいまいましそうに彼の手許をながめや....
星座」より 著者:有島武郎
やじは俺が大の自慢で、長男は俺の後嗣《あとつ》ぎ相当に生れついているが、次男坊はやくざな暴れ者だで、よその空でのたれ死でもしくさるだろうと、近所の者をつかまえて....
三枚続」より 著者:泉鏡花
ども、伝か、可し、鯰ならば仔細はないと、さらりと埒は明いたんです。 私はこんなやくざものの事ですから、母親も別に話さないでいたのがその時知れまして、そうか、そ....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
んは、旧藩士ででもあんなさるかと聞くと、 「孫八とこいて、いやはや、若い時から、やくざでがしての。縁は異なもの、はッはッはッ。お前様、曾祖父様や、祖父様の背戸畑....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
貴方は?」 「いや、それがね、申しおくれた処へ、今のような真剣の話の中へは、……やくざ過ぎて、言憎い。が、まあ、更めて挨拶しよう。――話をして、それから、その天....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
の。」 「うむ、沢山あの先生にお酌をしてあげておくれ。――これで安心したよ。……やくざな小父さんなんぞと違って、先生だからね。学校出の令夫人だ、第一義理がある。....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
のだからね。〔すでにたびたび僕は創造主をのろった。――創造主が自分の被造物を実にやくざな偶然の犠牲にして顧みず、そのため最も美しい花も滅びることがあるのをのろっ....
俘囚」より 著者:海野十三
ょう》に、ポッツリ点いている。その角を直角に右に曲る。――プーンと、きつい薬剤《やくざい》の匂いが流れて来た。夫の実験室は、もうすぐ其所《そこ》だ。 夫の部屋....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
Barbes(バルブのリリ) Fat comme poisse(何とかのようなやくざものの) Aime sa femme(その妻) dit Jeanne.(ジ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
おとしいれるだけです。 この憎みにもまた変態があります。たとえば、手におえないやくざ息子などあります。母親はそのやくざに欺され欺されして常にむだ使いのお金など....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
鉛の片のようにひらぺたく見える。 かの女は今ここに集まった男女が遊び女であれ、やくざ男であれ、自分の巴里を去った後に、むす子の名を呼びかけて呉れるものは、これ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しまって、半七は何げなくうなずいた。 「そりゃあまったく気の毒だね。なぜ又そんなやくざな奴に娘をやったんだろう」 「なに、長作もはじめは堅い男だったんですが、ふ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
この奴だえ」と、半七は彦八に小声で訊いた。 「六三郎といって、小博奕を打っているやくざな野郎ですよ」 「六三郎……粋《いき》な名前だな。その六三郎にお園《その》....