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やくざ者
「やくざ者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
やくざ者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ろまん灯籠」より 著者:太宰治
ェルは鋭く叫んで、その鳩で王子の頬を打ちました。 「あっちの烏《からす》は、森の
やくざ者だよ。」と部屋の隅の大きい竹籠を顎《あご》でしゃくって見せて、「十羽いる....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
たかッ。放蕩《ほうとう》無頼に身をもちくずしたために、南部家を追放された六人組の
やくざ者だ。むっつり右門だか、とっくり右門だか知らねえが、南部の浪人者にも骨があ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
おりでござる。慈悲は東照宮おんみたまもお喜びなさるはず、お召し捕《と》りの八人の
やくざ者たちは、百たたきのおしおきにでもしたうえ、放逐しておやりくだされい。――....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
が思うように行かないで、しまいには誰でも構わずに採用することになって、江戸近在の
やくざ者までが紺木綿の筒袖を着て、だん袋のようなものを穿いて、鉄砲をかついで歩く....
「親子」より 著者:有島武郎
。たとえばお前が世過ぎのできるだけの仕事にありついたとしても、弟や妹たちにどんな
やくざ者ができるか、不仕合わせが持ち上がるかしれたものではないのだ。そうした場合....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
うことなら先ず手前の素姓から申します。御覧のようにあッしゃ少しばかり侠気の看板の
やくざ者で、神田の小出河岸にちッちゃな塒を構え、御商人衆や御大家へお出入りの人入....
「放浪の宿」より 著者:里村欣三
眼鏡が酔いつぶれる時に、きまってあげる『オダ』に依れば、彼はどうにもしようのない
やくざ者で、人の女房と姦通して、おまけに亭主の頭の鉢を金テコで打破って、無期徒刑....
「サレーダイン公爵の罪業」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
のような鼻にもフンといったような皺が走った。そのステフィーン大尉は手のつけられぬ
やくざ者で、何百何千という兄公爵の金を干した上、兄にせまって賑やかな社交界をすて....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
二十五年。何年も何年も。過ぎ去る歳月。毎日毎日。伐り倒された樹。記憶のカートン。
やくざ者。二つの世代。」とあり、他に、この作の主要人物である獅子の豺としてのカー....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
ございますよ。というのは官位の高いお方や、身分のりっぱな人たちや、私どものような
やくざ者までが、一網打尽に猟り取られて、流されもすれば押し込められもし殺されもす....
「おせん」より 著者:邦枝完二
の商人で、四|角い帯を、うしろで結んで来た訳じゃねえんだ。面目ねえが五一三分六の
やくざ者だ。おめえやお袋に、会わせる顔はねえンだが、ちっとばかり、人に頼まれたこ....
「かもじの美術家」より 著者:神西清
。」 伯爵は弟ぎみにこう答えなさいました、―― 「ここの床屋どもは、無論のこと
やくざ者だよ。第一そんなものが、この町にいようとは知らなかったね。何しろわたしの....
「女房ども」より 著者:神西清
一緒になって探した。 「耳っ朶引っちぎるぞ」とマトヴェイ・サヴィチが呶鳴った、「
やくざ者めが。」 帽子は馬車の底に落ちていた。クージカは袖で藁を払ってそれを被....
「グーセフ」より 著者:神西清
」 「死ぬのが厭かい?」 「厭だとも。家の奴らが可哀そうなんだ。なあ、家の兄貴は
やくざ者だ。大酒は喰うし、女房はやたらに叩くし、親を敬わねえ。俺がいなけりゃ何も....
「妻」より 著者:神西清
しこを歩き廻ったことのある人なら、この小さな居心地のいい部屋にひびきながら、私が
やくざ者だと告げている女の声が、どんなに私の慰めになり、楽しみになったかがおわか....