»
ゆらぎ
「ゆらぎ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ゆらぎの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
ぞ、お通は居坐直整えて、畳に両手を支えつつ、行儀正しく聞きいたる、背打ふるえ、髪
ゆらぎぬ。 「実はね、叔母さんが、謂うから、仕方がないように、いっていたけれど、....
「砧」より 著者:上村松園
像のような気持で描いて見たものです。砧は黒漆が塗ってあるもので、灯台の蝋燭の灯の
ゆらぎに動きを齎してあります。 (昭和十三年)....
「海底大陸」より 著者:海野十三
いるうちに、部屋のゆかにしきつめられてあった煉瓦が一メートル平方ほど、ぐらぐらと
ゆらぎはじめたかと思うと、やがてその煉瓦敷のところがむくむくと上にもちあがって、....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
になって、クラブハウスの窓から、はるか向こうのゴルフ場の一隅に、怪火《かいか》が
ゆらぎ(これは一郎のもっていた懐中電灯のことだ)それから朝になっていってみると、....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
ような絢爛、波瀾を重畳させつつ嬌艶に豪華にまた淑々として上品に内気にあどけなくも
ゆらぎ拡ごり拡ごり
ゆらぎ、更にまた
ゆらぎ拡ごり、どこか無限の遠方からその生を操ら....
「銀座の朝」より 著者:岡本綺堂
道と人道の境界に垂れたる幾株の柳は、今や夢より醒めたらんように、吹くともなき風に
ゆらぎ初めて、凉しき暁の露をほろほろと、飜せば、その葉かげに瞬目するかと見ゆる瓦....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
る上に、船の動揺のたびごとに海水は滝のように流れ込んでくるので、窓全体の締め釘が
ゆらぎ出して、とうとうぐらぐらになってしまいました。われわれは窓の戸をしめようと....
「チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
ニオ 丈高く美しい人には歌謡の舞蹈、色斑らなる仮面には炬火の光、臥し眠る心にはさ
ゆらぎの律動を鳴らす音楽、わかき女には鏡、花には明るい温い太陽の光、即ち一つの眼....
「星」より 著者:国木田独歩
、その目は遠く連山の方を見やりて恋うるがごとく、憤るがごとく、肩に垂るる黒髪風に
ゆらぎ昇る旭に全身かがやけば、蒼空をかざして立てる彼が姿はさながら自由の化身とも見えにき。(二十九年十一月作)....
「わかれ」より 著者:国木田独歩
得るほどなれば左右の梢は梢と交わり、夏は木の葉をもるる日影鮮やかに落ちて人の肩に
ゆらぎ、冬は落ち葉深く積みて風吹く終夜物のささやく音す。一年と五月の間にかれこの....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
語は不調和である。 この歌は、余り苦心して作っていないようだが、声調にこまかい
ゆらぎがあって、奥から滲出で来る悲哀はそれに本づいている。旅人の歌は、あまり早く....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
だまだ刺戟も少く万事が単純素朴であったのである。それでも目ざめかかったリビドウの
ゆらぎは生涯ついて廻るものと見えて、老境に入った今でも引きつけられる対象としての....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
った。ところが、この話を伝えきいた志呂足が思いもよらぬ大立腹。千代を明々と燈明の
ゆらぎたつ神前によびつけ、須曾麻呂、比良、宇礼、地伯はじめ信徒の重立つものがこれ....
「地上」より 著者:島田清次郎
の、青空に聳える渋紅い尖塔、大理石の石柱の重厚さと雄渾さ、窓の色硝子に映る日光の
ゆらぎの美しさ。緩やかな坂路が門から伸びているその左手は、大地は円やかに膨れて高....
「桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
分あるけど、句としては従来余りに高く評価されすぎている様に思う。 夕庭に牡丹桜の
ゆらぎかな より江 桜花風に動かぬ重たさよ あふひ 暮れそめた夕庭に、白々....