わざ言[語句情報] »
わざ言
「わざ言〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
わざ言の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
らしく切りさいなまれていたこと、などの事実や、さっき言ったこと、それから僕がわざ
わざ言うまでもない他の事実などは、警察ご自慢の明敏さを完全に参らせてしまって、力....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
した。 「凄い! 凄い! お水は……?」 「結構です」実は欲しかったのだが、わざ
わざ言われると、持前の負けずぎらいからそう答えざるを得なかったのだ。 余程悪質....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
だぞ、違えねえぜ! もしお前が好きでなけりゃあ、己がこんなとこまで来てお前にわざ
わざ言って聞かせてやると思うか? もうすっかりきまってることだ、――今更お前がど....
「現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
少しく文芸に関心を持たるる読者には馴染の深いものであって、僅かな紙数のうちにわざ
わざ言及する必要はあるまいと思ったのである。 それに実は、全体的傾向の推移を述....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
は多少不明な新しい町になってきた。けれども著者がパリーを愛することは、ここにわざ
わざ言うまでもないことである。パリーは著者の精神の故郷である。ただ種々の破壊再築....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
と失望するにちがいない。それはあらかじめ断っておく。なぜ私がこんな変なことをわざ
わざ言うかというと、それは白鳥芦花に入る会が、鶏肉胃袋に入る会になってしまっては....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ど、どうして、それを……」 「なにを、くだらない。下手人が杉の市なら、藤波がわざ
わざ言ってよこす筈アなかろう、つもっても知れるじゃないか」 「いや、もう、ご尤も....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
リーヂアは、チェーホフを冷たいと云って咎めている。チェーホフはそれに答えて、わざ
わざ言われるまでもない、と自認している。ほかの手紙を見ても、この調子を破るような....
「殺意(ストリップショウ)」より 著者:三好十郎
がれない」と言っているじゃないか しかし、それを、どうしてこんな人たちの前でわざ
わざ言っているのだろう? そして又、その言い方が率直で誠実であればあるほど なぜ....
「華やかな罪過」より 著者:平林初之輔
です。口へ出して「二人は永久に愛しあいましょう、一しょになりましょう」などとわざ
わざ言うのは、妾《わたし》たちの愛を冒涜《ぼうとく》するようにさえ感じられたので....
「はつ恋」より 著者:神西清
。総督は逆手をとって、彼がいつぞや土木局の連中を相手にもちあげたさる醜聞を、わざ
わざ言い出したので、彼は弁明これ努めて、何分にもあの頃はまだ未経験だったので――....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
を績み布を織らぬ女も皆無にちかかった。それでこういう事柄はみな常識となって、わざ
わざ言い教える人もなく、今となってはかえってこのめずらしい昔話の心持を、わかりに....