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カバン
「カバン〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
カバンの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
一つ不自由を感じません。鎌倉《かまくら》あたりまで行くのにも膝《ひざ》かけから旅
カバンまで用意しなければならないのですから、日本の文明はまだなかなかのものです。....
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
《わたくし》は悲しく思いますよ。屹度《きっと》ですよ。」
そういって先生は僕の
カバンの中にそっと葡萄の房を入れて下さいました。僕はいつものように海岸通りを、海....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
。 船で河から市川へ出るつもりだから、十七日の朝、小雨の降るのに、一切の持物を
カバン一個《ひとつ》につめ込み民子とお増に送られて矢切の渡へ降りた。村の者の荷船....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
が、一度しみ込んだ悪風は容易に除かれないものである。 ○俳優は実生活では軽い化粧
カバンさえ持つのをいやがって弟子と称するものに持たせるくせに演技中には絶えず何か....
「三の字旅行会」より 著者:大阪圭吉
今日はいつもより一段と美しい、年の頃二十八、九の淑やかな婦人のお供をして、大きな
カバンを提げながら、改札口のほうへ向って、神妙に婦人のあとから地下道の階段をおり....
「金属人間」より 著者:海野十三
こし前になって、かれは、吊皮《つりかわ》でくびから吊《つ》って小脇にかかえていた
カバンぐらいの大きさの黒い箱を胸の前へまわした。その箱と舞台とをはんぶんにのぞき....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
をもった医師だった。 彼は、長椅子の上に寝ている黒川のそばに、自分のもってきた
カバンを開き、診察にとりかかった。 「うん、ちょっと重傷だが、今手当をして、しば....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
で、家じゅうが殆んど見通しという狭い家の座敷には、それでも菰包みの荷物や、大きい
カバンや、軍用行李などがいっぱいに置き列べてあった。 「皆さんにも折角お馴染みに....
「水鬼」より 著者:岡本綺堂
悪いと思ったが、これは災難で両損とあきらめるよりほかはない。僕も半額を受取って、
カバンひとつを引っさげて歩き出すと、青年も一緒に列んで歩いて来た。こうなると僕も....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
ムの人混みのなかに、倉沢の家の若い雇人の顔がみえた。彼はすぐ駈けて来て、わたしの
カバンを受取ってくれた。 つづいて横田君の姿が見えた。かれは麦わら帽をかぶって....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
の代りに通りの向うから、一見何処かの外交員らしい洋服の男がたった一人、手に黒革の
カバンを提げてやって来る。雄太郎君は馳けよると、すかさず訊ねた。 「いまこの道で....
「火薬庫」より 著者:岡本綺堂
で、家じゅうが殆んど見通しという狭い家の座敷には、それでも菰包みの荷物や、大きい
カバンや、軍用|行李などがいっぱいに置き列べてあった。 「皆さんにも折角お馴染み....
「慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
る六月の雨の色をながめながら、森君の方を見かえった。森君の机のそばには小さい旅行
カバンが置かれてあった。 「なに、ちっとぐらい降っても構わない。思い立ったら、い....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
では筆頭だったようだ。 六、鍛え上げたガラガラ声 沼は演説百姓よ 汚れた服にボロ
カバン きょうは本所の公会堂 あすは京都の辻の寺 これは大正末年の日労党結党当....
「蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
てから憶い出した事で、一と目見た瞬間あのゾッとした感じは忘れられませんでした。大
カバンを右手にぶら下げ、左手にも二つ三つの包を抱えていました。このアパートを借り....