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カンフル注射
「カンフル注射〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
カンフル注射の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旅愁」より 著者:横光利一
家はあの川裾の方の大寒中の水を汲んで硯にするのが例だが、僕のは菌のわかないように
カンフル注射をしてあるのだ。そうすると墨色もなかなか良い。」
と云って、東野は....
「生と死との記録」より 著者:豊島与志雄
二、 夜――熱九度二分、脈搏百四十、呼吸四十五、 尿二回、便五回、嘔気二回、
カンフル注射二回、腸注入一回、人乳五瓦三回、十瓦三回。 私は其処に敷いてある蒲....
「外務大臣の死」より 著者:小酒井不木
呼びに行った。夫人を先頭に主治医と看護婦とがあたふたかけつけ、主治医は取り敢えず
カンフル注射を、三回総監の腕に行った。 総監は眼を開いたが、あたりの人の存在に....
「安死術」より 著者:小酒井不木
誰しも、たとい、無闇に苦痛を増すに過ぎないということがわかっていても、とにかく、
カンフル注射を試みて、十分間なり二十分間なり余計に生きさせようと努めるのでありま....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
ない。かくの如くして私は氏が危篤の報に接して駆け付けた時、病床の氏は、後に聞けば
カンフル注射のためであったそうであるが、素人目には未だ絶望とも思われぬような息を....
「初往診」より 著者:小酒井不木
て、その中に入れ、兎に角一時意識を恢復せしめることが出来たが、なお念のため、彼は
カンフル注射を試みたのであった。 彼が注射を終って針をしまおうとしたとき、ふと....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
ぎません。そうして、いざ生命が危篤になると、どうです、どの病気にも御承知のとおり
カンフル注射を行うことになって居ます。日本だけで一年に百何十万という人が死にます....
「昭和四年の文壇の概観」より 著者:平林初之輔
なくなるべき運命をもっているのである。現代の面白くない小説に対する、一時おさえの
カンフル注射のごときものである。 それについて思い起こすのは、近年まで、婦人雑....