ガラス板[語句情報] » ガラス板

「ガラス板〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

ガラス板の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
松江印象記」より 著者:芥川竜之介
だもん》の外に動くともなく動いてゆく柳の葉のように青い川の水になって、なめらかなガラス板のような光沢のある、どことなく LIFELIKE な湖水の水に変わるまで....
大川の水」より 著者:芥川竜之介
るいは銀茶色の芽をふいた、柳とアカシアとの並樹《なみき》の間から、磨《みが》いたガラス板のように、青く光る大川の水は、その、冷やかな潮のにおいとともに、昔ながら....
星座」より 著者:有島武郎
ように切り立った高い崕《がけ》の上に、やや黄味を帯びた青空が寒々と冴《さ》えて、ガラス板を張りつめたように平らに広がっていた。家の中にいても火種の足りない火鉢に....
映画時代」より 著者:寺田寅彦
その間にわずかに三寸四角ぐらいの紙を張ったのがスクリーンである。ほぼこれと同大のガラス板に墨と赤および緑のインキでいいかげんな絵を描いたのをこの小さなスクリーン....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
いる。それはKと言って、君が岩内の町に持っているただ一人の心の友だ。君はくすんだガラス板に指先を持って行ってほとほととたたく。Kは機敏に書物から目をあげてこちら....
親子」より 著者:有島武郎
明なガラス張りになっている雨戸から空をすかして見ると、ちょっと指先に触れただけでガラス板が音をたてて壊れ落ちそうに冴え切っていた。 将来の仕事も生活もどうなっ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
の東の寂しく荒れはてた海浜に新しい運上所が建てられ、それが和洋折衷の建築であり、ガラス板でもって張った窓々が日をうけて反射するたびに輝きを放つ「びいどろの家」で....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
早取り写真で、それには実蔵の一人子息と和助とだけ、いたいけな二少年の姿が箱入りのガラス板の中に映っている。 「アレ、これが和助さまかなし。まあこんなに大きくなら....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
土のよしあし * 日常生活の世界と詩歌の世界の境界は、ただ一枚のガラス板で仕切られている。 このガラスは、初めから曇っていることもある。 生....
日常身辺の物理的諸問題」より 著者:寺田寅彦
ついてそれぞれ発音の模様を験することである。もっともこれに連関しては昔レーリーがガラス板の上で茶わんをすべらせたりした草分けの実験から始まって、その後ハーディの....
物理学圏外の物理的現象」より 著者:寺田寅彦
末な実験の後裔であるとも見られなくはないのである。また昔レーリー卿が紅茶茶わんをガラス板の上ですべらせてみて、ガラスのよごれ方でひどく摩擦のちがうことを見て考え....
自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
理学部の米田勝彦氏が現に研究を続けている「粉の波」の現象がある。たとえば、二枚のガラス板の間に或る粉の円形薄層をはさんで、上の板を棒の先で軽くこつこつとたたくと....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
たち切れると、艇はすーっと浮きあがった。空中の旅が始ったのである。見下す海面は、ガラス板のように滑らかであった。 どこかで、無電をうっているらしい音が、しきり....
赤いくつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
家には首切役人が住んでいることを、カレンは知っていました。そこで、カレンはまどのガラス板を指でたたいて、 「出て来て下さい。――出て来て下さい。――踊っていなけ....
審判」より 著者:カフカフランツ
窓をあけてはいけませんか」と、Kがきいた。 「だめです」と、画家が言った。「ただガラス板をしっかりはめてあるだけですから、あけられないのです」 Kはそこでやっ....