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「ゴブラン織〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

ゴブラン織の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白菊」より 著者:夢野久作
それは天井の高い、五|間四方ぐらいの部屋であった。幽雅な近代風のゴチック様式で、ゴブラン織の深紅の窓掛を絞った高い窓が、四方の壁にシンカンと並んでいた。 その....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
多くの胡麻化しがある事を発見していた。 たった今気がついた左右の出入口の、褐色ゴブラン織りの垂れ幕は、青ペンキ塗りの粗末な扉を隠すためである。壁際の大机は今ま....
旅愁」より 著者:横光利一
茶を飲んでから、ホールで踊るんだけど、でも、壁なんか綺麗なものね。タペストリも皆ゴブラン織で、ルネッサンス時代の大きな彫像が置いてあって、ほんとに素晴らしいクラ....
木の十字架」より 著者:堀辰雄
ッシイの近代的な歌よりも、寧《むし》ろイタリアの古拙な聖歌の方を好んだ。それらのゴブラン織のような合唱の中を、風のように去来する可憐なボオイ・ソプラノはなんとも....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
美しさに充ちていて、上質の散文のような美です。レムブラントを詩とし、ルーベンスをゴブラン織として。 この著者は文章にも一方ならぬ苦心と注意とを払っているのがわ....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
か掛けてある。 と、正面の扉が開いて、十平太がはいって来た。すると部屋の片隅のゴブラン織りの寝台から嗄れた声が聞こえて来た。―― 「おお十平太か、よいところへ....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
た清国の国旗、牧溪筆らしい放馬の軸、応挙筆らしい大瀑布の屏風、高麗焼きの大花瓶、ゴブラン織の大絨毯、長い象牙に豺の角、孔雀の羽根に白熊の毛皮、異国の貨幣を一杯に....
女坑主」より 著者:夢野久作
一時に消してしまった。それから部屋の隅の紐を引くと、部屋の三方の眼界を遮っていたゴブラン織の窓掛がスルスルと開いた。二人の腰かけている長椅子の真正面の左手の窓硝....
西林図」より 著者:久生十蘭
、更紗かと思ったら、シャンチョン宮の狩猟の図を織りだした精巧《せいこう》きわまるゴブラン織だった。 冬亭と文女が向き合って坐っている光景は、ふしぎきわまるもの....
墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
でいる長い廊下を、竜太郎は、式部官に導かれてしずかに歩いて行った。 眼もあやなゴブラン織の壁掛が掛け連ねられてある広い待合室には、燕尾服や、勲章や、文官服や、....