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ゴム毬
「ゴム毬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ゴム毬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
しみわたって行くのが目に見えた。葉子だけは春が来てもやせた。来るにつけてやせた。
ゴム毬《まり》の弧線のような肩は骨ばった輪郭を、薄着になった着物の下からのぞかせ....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
いや、恐しいことである。 「これが、調餌室の主任、北外星吉氏です」西郷副園長が、
ゴム毬のように肥えた男を紹介した。 「やあ、帆村さんですか」北外畜養員はニコヤカ....
「地中魔」より 著者:海野十三
った。内部には誰が拵えたのか階段があった。少年は、薄明るい懐中電灯の光を頼りに、
ゴム毬のようにトントンと階段を下っていった。 階段は間もなく尽きた。そしてそこ....
「地球盗難」より 著者:海野十三
行機が斜めになって舞い下ってきた。そして前の道路にドンとつきあたったかと思うと、
ゴム毬のように一つポーンと跳ねかえり尚もそのまま滑走を続けると思われたが、尾部が....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
胸へ向けた。彼は驚愕の声を懸命に嚥んだ。若紳士の左胸に捲いた繃帯は、空気の抜けた
ゴム毬のようにへこんでいた。 だが、あやしいことにスットン、スットンと音が聞え....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
縮めながらも、急カーブを切って崩れて落ちた石塊の充満する辻を、右へ折れた。車は、
ゴム毬のように、はずんだ。 「アン、どこへいくのか」 と、仏は、ほれぼれと、ハ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
ずしん!
たいへんな地響きだった。
千二のはいこんでいた大きな鉄管が、まるで
ゴム毬のように飛びあがったような気がしたくらいの、はげしい地響きだった。
はじ....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
きおいよく穴から跳ねあがってきたのは、正太少年であった。彼は一ぺん下にあたって、
ゴム毬のようにはねあがったが、やがて足がふたたび下につくと、のそりのそりと博士の....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
しい宙釣りとなった。ぱたぱたと板のように硬い風が、丁坊の頬をなぐる。そして身体は
ゴム毬のようにゆれる。いまは遉の丁坊も生きた心持がない。 一体どうするのか。こ....
「新学期行進曲」より 著者:海野十三
でしょうか。まず、はじめはぽつんと点があらわれますね。それが見る見る膨れてやがて
ゴム毬のようになり、更にだんだんおおきくなって、ガス・タンク位になりました。と思....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
れに触れたものから急速に熱を奪い去るから、皮膚に触れれば火傷のような現象を起し、
ゴム毬などは陶器のように堅くなって、叩きつけるとコナゴナになって終う。 液化一....
「墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
視庁へ着いた」 こう言って、ちょうどそのとき止まったタクシーのドアーを開けて、
ゴム毬のように俊夫君は飛びだしました。 小田刑事は例のごとく、にこにこして私た....
「澪標」より 著者:外村繁
しかしそんな淑子の姿はいかにも隙だらけのようで、ひどく危い。 清九郎と与吉とが
ゴム毬を投げ合っている。与吉がその毬をそらし、それを追っかけて行く。すると淑子は....
「料理の秘訣」より 著者:北大路魯山人
得がある。たいの背中を指で圧して、グミグミと肉のやわらかいのは、刺身にならない。
ゴム毬のように張りのあるものがいい。 痩せたのはよくない。発育の悪い証拠だ。目....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
とも出来なかった。すると道ばたに女の子が一人メリンスの袂を翻しながら、傍若無人に
ゴム毬をついていた。 「天神様へはどう行きますか?」 「あっち。」 女の子は僕....