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ゴム長靴
「ゴム長靴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ゴム長靴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「服装に就いて」より 著者:太宰治
る。大学の頃にも、私は普通の服装のつもりでいたのに、それでも、友人に忠告された。
ゴム長靴が、どうにも異様だと言うのである。ゴム長は、便利なものである。靴下が要ら....
「母」より 著者:太宰治
りどたりと野暮《やぼ》ったく身悶《みもだ》えしている。 海に沿った雪道を、私は
ゴム長靴で、小川君はきゅっきゅっと鳴る赤皮の短靴で、ぶらぶら歩きながら、 「軍隊....
「おしゃれ童子」より 著者:太宰治
の講義には、一度も出席せず、雨の日も、お天気の日も、色のさめたレインコオト着て、
ゴム長靴はいて、何やら街頭をうろうろしていました。お洒落の暗黒時代が、それから永....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
い時もゴム裏|足袋《たび》の、バリバリ凍ったのをはいていた。そして、ボースンの、
ゴム長靴のペケを利用して、その脛《すね》の部分だけを、ゲートル流にはいていたので....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
づく暗鬱ぞ。日記をつけるのも、いやになった。きょう、数学の時間に、たぬきが薄汚い
ゴム長靴などはいて来て、このクラスには四年から受ける人が何人いるかね、手を挙げて....
「共同耕作」より 著者:宮本百合子
人先へ立っていよいよ三十人ばっかりが田圃へくり出した。 とめはアヤと腕を組み、
ゴム長靴を踏みしめて進んで行く。深田の竹藪にかかる頃、シトシト雨が降って来た。 ....
「映画の語る現実」より 著者:宮本百合子
とき、そして最も日本的な梅雨のふりつづくとき、撮影もしにくい光線と湿気との中で、
ゴム長靴マント姿の学童たちの生活はどのように営まれているか。交通事故の防止のため....
「浚渫船」より 著者:葉山嘉樹
私は行李を一つ担いでいた。 その行李の中には、死んだ人間の臓腑のように、「もう役に立たない」ものが、詰っていた。
ゴム長靴の脛だけの部分、アラビアンナイトの粟粒のような活字で埋まった、表紙と本文....
「小景」より 著者:宮本百合子
行く男、私の耳に、きれぎれな語尾の華やかな響だけをのこして過る女達。 印袢纏に
ゴム長靴を引ずった小僧が、岡持を肩に引かつぎ、鼻唄まじりで私の傍によって来た。ど....
「一九二七年春より」より 著者:宮本百合子
をとる海藻をのせて横切る。 男の児が父親に手をひかれて来る 男の児の小さい脚で
ゴム長靴がゴボゴボと鳴った。 〔欄外に〕 ウインネッケが二十七日地球に最も近....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
でしょうか。その道から頂上へ出たすぐ右手のところです。お父さんの御骨は隆ちゃんが
ゴム長靴はいて背負ってかえってきました。私はこういうやり方をはじめて見たし、日頃....
「光は影を」より 著者:岸田国士
、なんの関係がある!」 父は、地団太を踏むように、怒鳴つた。そして、いきなり、
ゴム長靴を脱ぎすてゝ、上へあがり、 「話があれば、弁護士をやるから、その男に話せ....
「四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
た。 先日から地下足袋が破れて、そのために左の足を痛めて困っていたところ、運よく
ゴム長靴の一方が捨ててあるのを見つけた、それを裂いて足袋底に代用したので助かった....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
えられている、手を引いてもらっている、草履をはいている、杉下駄をひっかけている、
ゴム長靴をだぶだぶ鳴らしている。血のついたもんぺ、裂けたシャツ、切られたズボン、....
「トンカトントンカッタカッタ」より 著者:今野大力
目だ。高い藁使われるばかりも損してる。何だこんなくされ縄。 帳場は親方のお下り
ゴム長靴で彼女の重ねてあった縄を蹴飛ばした。彼女はその日泣き乍ら子供を背負って雪....