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ゴム靴
「ゴム靴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ゴム靴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「苦力頭の表情」より 著者:里村欣三
で、醜い顔の女が、寒むそうに肩をすぼめて泣いた。 俺はそれを思った。俺はかつて
ゴム靴の工場で働いたことがある。一日中、重い型を、ボイラーの中に抛り込んだりひき....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
からびた出来のわるい大根のような脚がヌッと出ていて、傍には足から外れた汚れきった
ゴム靴が片方裏がえしになって落ちていた。どうしたんだろう。真逆死んでいるのじゃあ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
「バナナじゃありませんよ、僕が工場で拵えてきたんですよ」 「僕知ってらあ。きっと
ゴム靴だよ。もうせん、僕に拵えてくれたねえ、弦兄さん」 「
ゴム靴だって?」父親は....
「蠅」より 著者:海野十三
足そうに肯いた。助手の理学士は、恭しく礼をすると、跫音もたてずに出ていった。彼は
ゴム靴を履いていたから……。 そこでクリシマ博士は、再び顕微鏡の方に向いた。そ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
盛んに買出しに出かけるが、その内情を聞けば、預金はもう底が見え、交換物資の衣料、
ゴム靴、地下足袋等ももうなくなろうとし、いよいよ行詰まりの一歩手前の観ある。やが....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
ねか。――三枚もはいてたとよ……」男が頸を縮めて笑い出した。 その男は冬の間は
ゴム靴会社の職工だった。春になり仕事が無くなると、カムサツカへ出稼ぎに出た。どっ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
何でも新宿の専売局跡の露店《ろてん》街において、昼日中《ひるひなか》のことだが、
ゴム靴などを並べて売っている店に一つの赤革の鞄が置いてあったが、この鞄がどうした....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
忍びこんだところは調理室の窓からであって、そこには有り得べからざるところに犯人の
ゴム靴の足跡がかすかに残り、また棚のところには犯人の手袋の跡が残っていた。そして....
「毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
な毒瓦斯は、吸着剤の活性炭と中和剤の曹達石灰とを通せば遮られるし、ゴム衣ゴム手袋
ゴム靴で結構避けられます。そういう防毒手段のわかっている毒瓦斯は、今じゃどこへ持....
「空襲警報」より 著者:海野十三
ぬ。子供だからと思って我慢していたが、非国民とはなんだ。おれはこんなに貧乏して、
ゴム靴の修繕をやり、女房は女房で軍手の賃仕事をしているが、これでも立派に日本国民....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
三びきの子ねこを相手に気をまぎらそうとしました。エミイは勉強がはかどらないのに、
ゴム靴が見つからないのでぷりぷりしました。ジョウは口笛をふいて、さわぎをひきおこ....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
う始末であつたが、増田健次はその日の日誌をつけ終ると、急に岡本弘に会いたくなり、
ゴム靴の底にたまる雪をはたきはたき、信濃屋の玄関をはいつた。 岡本は将棋盤に向....
「飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
もう身につけるものなどは一つでも買うことが出来ない有様です。雪が降り出してから、
ゴム靴ははいて来ますが、その
ゴム靴が破けていて、中が泥だらけのが多いです。しかも....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
している。市長はいつも相変らず、購買組合特製の三円六十銭の小倉洋服を着て、足には
ゴム靴をはいている。 堂上華族のあるものは市長に対してまず「大阪の煙をどうにか....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
の行装では登られそうにもない。例のモンペを借りて袴とはきかえ、足袋の上に借り物の
ゴム靴を穿ち、すでに踏み固めてある雪の上を尋ね尋ねして登る。人通りのない所ではゴ....