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「ゴム風船〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

ゴム風船の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
はとうとう尻《しり》もちをついた。同時にまた脚は――と言うよりもズボンはちょうどゴム風船のしなびたようにへなへなと床《ゆか》の上へ下りた。 「よろしい。よろしい....
」より 著者:新美南吉
は、すこし、お宮の境内《けいだい》の人も少《すくな》くなったようでした。花火や、ゴム風船の音もへったようでした。 子供たちは山車の鼻の下にならんで、仰向いて、....
宇宙女囚第一号」より 著者:海野十三
先に胴中やら、胸やら肩やら、そしてあの醜い首やらがむくむくと、まるで畳んであったゴム風船をふくらますように現われてきたではないか。自分の発明した器械であるとはい....
海底大陸」より 著者:海野十三
て、ぞろぞろと甲板の上にはいのぼってきた。うすきみわるい大きなまるい頭が、まるでゴム風船をよせあつめたように見え、そしてかれらは、まるで風が障子の破れ目にあたる....
地球盗難」より 著者:海野十三
絹らしい白いベビー服が、ムクムクと膨れあがってきた。それはまるでベビー服の下で、ゴム風船を膨らしているような具合だった。ベビー服はピーンと突っ張って見る見るはち....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
。隣のテーブルにも家族づれの客が多い。小さな子供のいる食卓の上には子供の数だけのゴム風船が浮游している。うちの子供らも昔はよくこうした所で風船をもらった時代があ....
雑沓」より 著者:宮本百合子
ラックをよけながら数寄屋橋の方へ出て来た。 橋の上の広くもない歩道は、青や赤のゴム風船を片手に子供の手をひいてそろそろ歩いている夫婦ものや、真新しくそりかえっ....
日は輝けり」より 著者:宮本百合子
の精神作用――例えば人なみより強いと思われる想像力が突拍子もない幻影を見ること、ゴム風船を危かしくてふくらがせないような心持――が、皆病的ではないのかと案じられ....
冥土行進曲」より 著者:夢野久作
間にその部分の血管が、心臓から押出される血液の圧力に堪えかねて、少しずつ少しずつゴム風船のように膨れ上り初める。そいつがだんだん大きくなって肋骨の内側をコスり削....
十姉妹」より 著者:山本勝治
この勢いやったら世界中ひろまる!」 「とにかく、おれ」と言う風に動いた。すぼんだゴム風船の様にベロベロ皮膚のたるんだ頸が、驚くほど延びた。慎作は、この一徹な祖父....
宇宙の迷子」より 著者:海野十三
明すると――いや、説明は中止だ。なぜといって、今空から一人の人間が、浮力を失ったゴム風船みたいに、ふわりふわりと下りて来るではないか。しかもそれはポコちゃんがえ....
火星兵団」より 著者:海野十三
の中から出て来た。 そこで彼は、減圧箱を足でぽんと蹴った。 すると減圧箱は、ゴム風船がちぢむ時のように見る見る小さくなった。そうして誰もさわらないのに、ポス....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
「艇長室に於て、辻艇長は睡眠中、コーヒー沸しは、もうすぐにぶくぶくやるだろう。ゴム風船地球儀は、目下|印度洋の附近を書いていられる。艇長九時になっても起きない....
」より 著者:池谷信三郎
会を地方へつなぐいくつかの停車場へ向けて送りだされていた。だから彼が、まるで黒いゴム風船のように、飄然とこの屋上庭園に上ってきたとて、誰も咎める人などありはしな....
冒した者」より 著者:三好十郎
声を立て、歯をむき出して対する。――それがヒョイと戸口の方を見るや、声も立てずにゴム風船から空気が抜けるように、不意にしぼんだように怒りの形相が完全に消えてしま....