»
サーベル
「サーベル〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
サーベルの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
二つくらい次の部屋で、何か気配がして、開けたてに扉が軋《きし》る音が聞えてきた。
サーベルの鞘《さや》が鳴る。武石は窓枠に手をかけて、よじ上り、中をのぞきこんだ。....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
で腕車《くるま》を曳《ひ》くなあ、よくよくのことだと思いねえ。チョッ、べら棒め、
サーベルがなけりゃ袋叩《ふくろだた》きにしてやろうものを、威張るのもいいかげんに....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
と思う店を探しあてた。店頭には賑かに凧や羽根がぶら下り、セルロイドのラッパだの、
サーベルだの、紙で拵えた鉄兜だの、それからそれへと、さまざまなものが所も狭く、天....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
、待って呉れえ待って呉れえ! お願いだ。助けて呉れえ!」 競立った馬の蹄の音、
サーベルの響、がやがやという話声に嗄声は消圧されて――やれやれ聞えぬと見える。 ....
「獄中記」より 著者:大杉栄
かやるだろうという疑いからでもなく、ただ昔が昔だから暴徒と間違われて巡査や兵隊の
サーベルにかかっちゃ可哀相だというお上の御深切からのことであったそうだ。立派な座....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
たようだが、みんなまだ若い男で、一、二年勤めているうちには、小倉のぼろ服を脱いで
サーベルをつった看守になった。 が、その中にただ一人、十年か二十年かあるいはも....
「恐竜島」より 著者:海野十三
ょうど正面に一人の男がたっていた。いや、正面の壁に立たされているのだ。胸から背に
サーベルがぐさりとささっているそれがさらに壁をつらぬいて、男をささえているのだ。....
「火星兵団」より 著者:海野十三
失礼をいたしました」
警視庁のいかめしいお役人といえば、さぞかし金ピカの服に、
サーベルをがちゃがちゃさせていると思っていたのに、これはまた、たいへんくだけた姿....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
ると、その天体鏡でのぞかせてあげましょう」 「すると、あの小田原の町に現れていた
サーベルを腰に下げた老人や、白衣を着た若者なども、逃げかえったんですか」 「いや....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
―年に筆を起し、私の父が「|ベンボー提督屋(註二)」という宿屋をやっていて、あの
サーベル傷のある日に焦けた老水夫が、初めて私たちの家に泊りこんだ時まで、溯ること....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
はいろんな望をおこした。 ああ、金持でありたいな――そうして士官になろうとした、
サーベルさげて、軍服すがたに、負革かけて。 時節がくると、おれも士官になりすまし....
「火の扉」より 著者:岸田国士
呼ばれた男は、服装だけではすぐに見当はつきかねるが、これも現役将校として最近まで
サーベルをさげていた夫一徳の後輩なのである。 「どうもそうじやないかと思つたんで....
「審判」より 著者:カフカフランツ
くききただしているらしかった。そこへ、Kに向って監視人がやってきたが、おもにその
サーベルでそれとわかったのだけれども、少なくとも色から見るのに鞘はアルミニウムで....
「変身」より 著者:カフカフランツ
どまむかいの壁には、軍隊時代のグレゴールの写真がかかっている。中尉の服装をして、
サーベルに手をかけ、のんきな微笑を浮かべながら、自分の姿勢と軍服とに対して見る者....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
がどうだろう。あの恐るべき饒舌の何の名残も、あの金扇や日の丸の朱も、チョビ髭も、
サーベルも、金モールも、お一二の帽子も、何一つとして、其処には影の影だに止めて居....