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スプーン
「スプーン〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
スプーンの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
《おくめん》もなくじっと目を定めてその顔を見やった後に、無頓着《むとんじゃく》に
スプーンを動かしながら、時々食卓の客を見回して気を配っていた事務長は、下くちびる....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ちをする。 寝台の上では、杉田二等水兵が相変らず黙りこくっている。 看護婦が
スプーンで強壮剤をすくって口のところへ持っていってやると、杉田は切なそうにぎろり....
「火星兵団」より 著者:海野十三
がすっかり出来る。そこで彼は大きなため息を二つ三つして、はじめて瀬戸物製の大きな
スプーンを左手に握るのである。彼は、左ききである。
「ああ、これゃ熱くて、口の中....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
ーブルに向って左の入口の方の壁には、二つの棚が釣ってあって、そこに茶碗だの、木の
スプーンだの、やはり木のフォークだのが置いてあった。 そして同じ壁の入口の向う....
「世相」より 著者:織田作之助
かし釣は呉れず、黒いジャケツを着たひどい訛の大男が洋食皿の上へ普通の五倍も大きな
スプーンを下向きに載せて、その上へ白い飯を盛り、カレー汁を掛けるのだった。スプー....
「中毒」より 著者:織田作之助
おもむろに煙草を吸うというのは、まだ生易しい方で、カレーライスなどの場合、右手に
スプーン、左手に煙草、右手と左手をかわるがわる口へ持って行った。食前、食間は勿論....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
のあみにかかったはえのようだと思いました。 エミイは、まい朝、茶わんをあらい、
スプーンや湯わかしを、ぴかぴかに光るまでみがかなくてはなりませんでした。それから....
「城」より 著者:カフカフランツ
プにありつこうとひどくがつがつして、自分の身体の弱さに打ち勝ち、あるいはスープを
スプーンですすろうとしたり、あるいは皿から直接飲もうとしたりして、どちらもうまく....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
の人には、口がわるいんだよ。僕だって、男だろう。」と、小太郎がアイスクリームを、
スプーンで口に運びながら、大人のように云ったので、新子も木賀も笑い出してしまった....
「モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
らしい。床の上にはナポレオン金貨四枚と、黄玉《トパーズ》の耳輪一個と、銀の大きな
スプーン三個と、洋銀《メタル・ダルジェ》の小さな
スプーン三個と、金貨約四千フラン....
「苦力頭の表情」より 著者:里村欣三
を盲目の支那人であろうと思った。女は茶をいれた。 熱い、甘い茶を唇で吹きながら
スプーンで俺に含ますのである。ひとりで自由に呑もうとすると、女は俺の手を軽く遮え....
「晩餐」より 著者:素木しづ
、アルミ鍋などを、テーブルの下に置いた。テーブルの上には、わづか子供の持つ小さな
スプーンと小皿が一枚残されたばかりであった。
けれども子供は、さわがしい、小さ....
「決闘」より 著者:神西清
の周りを駈け廻わって、手伝いの従卒を凄い剣幕で睨みつけたり、手あたり次第ナイフや
スプーンを振り上げたりしている。 「酢をよこせ」と命令が下る、「それは酢じゃない....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
ろ薬の時間じゃないこと、フェージャ?」 「ええ、どうぞ、おばさん」と少年は答えて
スプーンを一啜りすると、こう言い添えた、――「とても面白いですよ、おばさん、いろ....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
一息にお飲みになります。それから、王妃のナイフの大きさは、大鎌の二倍もあります。
スプーンもフォークも、それ/″\みな実に大きなものです。私はいつかグラムダルクリ....