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チャーム
「チャーム〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
チャームの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
らなくなった。幾枚も皮をかぶった古藤の心のどん底に隠れている欲念を葉子の蠱惑力《
チャーム》で掘り起こして見たくってたまらなくなった。
気取《けど》られない範囲....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
の着物を着て、煙草を吹かし、大人らしく振舞うのが粋とされていた。美少年のことを、
チャームと言っていた。自分の
チャームを持って連れて歩くのが幅利きであった。 入....
「ニューフェイス」より 著者:坂口安吾
んやら知る筈のないことである。 千鳥波は女の初々しさ、ウブな色気にひと方ならず
チャームされるところがあったから、一度はこんな風にこれも女の初々しさによるせいだ....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
なつかれ好かれる人があるものである。どこを取り立てていうことは出来ないが、一種の
チャームを持っているのである。富豪大倉喜八郎氏の成功は実に彼の福相によると人はい....
「雑記帳より(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
のである。 小唄勝太郎の小唄に洋楽の管絃伴奏のついた放送を聞いた。勝太郎の声の
チャームがすっかり打消されてしまっている。この人の声はやはり唄三味線の絃の音色に....
「備忘録」より 著者:寺田寅彦
しの白を交えた雌猫であった。額から鼻へかけての対称的な白ぶちが彼女の容貌に一種の
チャームを与えていた。著しく長くてしなやかなしっぽもその特徴であった。相当大きく....
「黴」より 著者:徳田秋声
一緒になる場合の条件などについて、二人はしばらく語り合った。 「ちょッと男を
チャームするところのある女だ。」友人は呟いた。 「いずれ話のすんだ時分に僕も後か....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ろがあるが、それといって、それ者《しゃ》のするワザとさがない、天然に備わっている
チャームというものがある」 丸山勇仙は、多少語学の素養があるから、それでチャー....
「木下杢太郎『唐草表紙』序」より 著者:夏目漱石
アンプレショニストのそれの如く極めて柔かです。そうして何処《どこ》かに判然しない
チャームを持っています。だから私は「荒布橋《あらめばし》」の冒頭に出てくる燕《つ....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
《か》の青ざめた顔、大きな口、凹《くぼ》んだ眼を忘れてその慈愛に富んだ表情にのみ
チャームされた。 顔の改造は出来なくとも、心の改良は出来る。また心を改良すれば....
「マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
可憐《かれん》な風姿とは、いまのところ他の女優の、誰れ一人が及びもつかない魅力《
チャーム》と風趣とをもっている。彼の地の劇界で、この極東の、たった一人しかなかっ....
「松井須磨子」より 著者:長谷川時雨
かった。厳密にいったなら美人ではなかったかも知れないが、野性《ワイルド》な魅力《
チャーム》が非常にある型《タイプ》だ。 正子が店に座るとお菓子が好《よ》く売れ....
「「奈良」に遊びて」より 著者:宮本百合子
を示しているものでした。総てに懐しい昔の錆が現われて、石に生えてる苔までが、私を
チャームするのです。此処の前には、彼岸桜が美しく咲いていました。 其処に立って....