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バラス
「バラス〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
バラスの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
親方であった。与えられた仕事は京城市の東南の龍山にある漢江の河原に出て、朝鮮人の
バラスとりの監督をするのである。朝鮮語で『オソオソ!』、つまり早く早く、とせき立....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
上下をしっかり縛りつけたという。当人は至極温和しかったそうだ。 ◯後藤睦美君が、
バラスト管の代用品をこしらえてくれた。 同君の一家も痩せてくるので、浜松へ疎開....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
の眼前に現像されるであろう。 先ず現われて来るのは、市会議員の或る一派が往来の
バラスや、市で使う石炭や、水道の鉄管や、又はあの大きな瓦斯《ガス》タンクなぞをバ....
「アインシュタインの教育観」より 著者:寺田寅彦
なくても、大した不幸だとは思わない。こういう人物が残した古文書的の遺産は、無駄な
バラストとして記憶の重荷になるばかりである。どうしても古代に溯りたいなら、せめて....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
と》である青白い筋が少し見えていた。
祖父は昂然《こうぜん》として頭をもたげ、
バラス(訳者注 革命内閣時代の華美豪奢な人物)の時代のあらゆる優美さを最もよく集....
「坑夫の子」より 著者:葉山嘉樹
であった。 昼過ぎから猛烈な吹雪が襲って来たので、捲上の人夫や、捨場の人夫や、
バラス取り、砂揚げの連中は「五分」で上ってしまった。 坑夫だって人間である以上....
「金狼」より 著者:久生十蘭
て九両三分二朱だ。きっと祟って見せるよ。……あたしのいのちをカセにして、どうでも
バラスはずはあるまいと、多寡をくくってるのかも知れないが、今日只今、もう命なんか....
「沈黙の水平線」より 著者:牧逸馬
老船長イルベリイ氏は、ワラタ号に別に不完全なところはないが、只ドックへ這入るのに
バラスト――安定を与えるために船底に積み込む砂、砕石、又は水の類――の重みを藉り....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
部落を出はずれ、製材所の在る辺から、次第に、粗雑な工事の弱点をあらわしはじめた。
バラスが十分入れられていない赭土《あかつち》道が、乱暴なトラックの往来で幾条も車....
「初恋」より 著者:矢崎嵯峨の舎
ける間、自分は家の内を見廻した。この家は煤だらけにくすぶり返ッて、見る影もないア
バラス堂で、稗史などによく出ている山中の一軒家という書割であッた。そのうちに鑵子....