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バランス
「バランス〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
バランスの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
なことである。そのようにならないように、自分ははじめから絶えず東洋の哲学を講じて
バランスを保つように努力してきたのであるけれども、この精神をよく汲みとってくれる....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
て、又風間の説くところの最大能率発揮のため急角度に高空へ昇るのにも、又、飛行機の
バランス復旧をはかる上に於ても、搭乗者が一人減ることが大変好ましいことも肯けた。....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
に縦に突き出した重心板の鉛の肌を軽く平手で叩いて見ながら、 「いいヨットだなあ。
バランスもよさそうだ」 と急に重心板の下端部を、注意深く覗き込みながら、 「こ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
「なる程な。そこまで伺えば、よく判りますて」 といって、下手から、かの女の気持の
バランスを取り直すようにした。かの女は少し気の毒になって、ちょっと頭を下げた。 ....
「娘」より 著者:岡本かの子
スカールの覆い布を除って、レールの端を頭で柔かく受けとめた。両手でリガーを支えて
バランスに気を配りながら、巧に艇身を廻転させつつ渚へ卸した。そのまま川に通ずる石....
「一ノ倉沢正面の登攀」より 著者:小川登喜男
が、手懸は小さく足場は少い。台地から五十米ばかりの間、二カ所の難所に極度の緊張と
バランスとを要求せられる。 ようやく自分がそれをやり終え、二番目の高木が第一の....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
えて見給え、Aはこの際果してBよりも常に安全であり得るか、どうか? そして、Bは
バランスの不足を補うべく、あれだけ自重して登っても、やはり、ビギナーであるが故の....
「審判」より 著者:カフカフランツ
しく、手を耳にあてて注意深く聞いていた。叔父は蝋燭持ちの役を勤め、――彼は蝋燭の
バランスを膝の上でとり、弁護士はときどき心配そうにそれをちらちら見るのだった――....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
とも考えてみる値打があるように思われます。 これが平凡な人間となると、このアン
バランス(不均衡)はそれほど目立ちませんが、われわれ現代日本人が普通にもっている....
「演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
、俳優の指導者でも教師でもない。俳優が自分では気のつかぬ、或は判断に苦しむ演技の
バランスを、客観的な立場で測定し、裁断する役目をもつ。舞台の統一的な効果は、それ....
「純粋戯曲への道」より 著者:岸田国士
覚的な操作において試みた、それと同じ試みを、戯曲の上に試みることをこの作者のよく
バランスのとれた才能に私は期待する。 城館のなかには、まだ不安な手さぐりもある....
「光は影を」より 著者:岸田国士
場によつて成績が違うということ、それに、税金の過重負担などもあつて、全体の収支の
バランスがとれなくなつたということ、だ」 「つまり、僕の考えじや、この会社も、頭....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
アリストクラート」として、周囲に集まる弟姉らをもさしてめんどうがらずに悠々と心の
バランスを保って暮らしていることと思います。私はそのアリストクラートの心を得るこ....
「ある完全犯罪人の手記」より 著者:酒井嘉七
、その行為が、大きく「負債」として記されている。私は自分の命が終るまでに、これを
バランスさせるだけの「資産」――世の人のためになる「資産」を作り、それを対照表の....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
あるから、どっちに当ったにしても、これほど深い当惑顔をしなければならない本因坊に
バランスを失した弱点があるように感じられて仕方がなかったのである。 しかるに対....