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「ビードロ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

ビードロの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
「玉を磨《す》りあげて立派な学者になれるなら、誰にでも出来る。わしにでも出来る。ビードロやの主人にでも出来る。ああ云う事をする者を漢土《かんど》では玉人《きゅう....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
けば、冬でも立派に生きています。しかし昔はそんなことをよく知らないもんですから、ビードロの容れものに金魚を飼うなんて贅沢な人も少なかったようです。たまにあったと....
二つの庭」より 著者:宮本百合子
いう工合の洋風客間は、柱も節のある質素なものであった。若葉の季節になると、出窓のビードロ玉のようなガラスが海の底にでもいるように新緑の色を映すので、伸子の少女の....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
が羽翼を収めて、暫く休息している姿勢を、富士は取っている。空気は頬一杯に吹かれてビードロのように、薄青い光を含んで流動している。そして野も、山も、森も、朝の光線....
三月八日は女の日だ」より 著者:宮本百合子
モスクワじゅうが濡れたビードロ玉だ。きのうひどく寒かった。並木道の雪が再び凍って子供連がスキーをかつぎ....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
でもある事でしょうし、またその蒐集や穿鑿は近頃ぼつぼつ古いガラス絵や阿蘭陀伝来のビードロ絵を集める事も漸く流行して来たようでありますからその道の好事家にお願して....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
あるところの不思議な光沢と色感の魅惑に迷わされがちだった。 だいたいガラス絵(ビードロ絵ともいわれている)というものはガラスの裏といってもガラスに表裏はないよ....
一粒の粟」より 著者:宮本百合子
して其那に笑うのだろう、卿等《おまえら》は―― 小粒な雨が、眠った湖面に玻璃《ビードロ》玉の点ポツポツを描いても、アッハハハハと卿達《おまえたち》は、大きな声....
凧の話」より 著者:淡島寒月
よいとしている。この凧に附随したものは、即ち「雁木」と「うなり」だが、長崎では「ビードロコマ」といって雁木の代りにビードロの粉を松やにで糸へつけて、それで相手の....
千世子」より 著者:宮本百合子
。広間の方からはかっちまりのない男特有の笑声がくずれる様に起って来る中に、叔母のビードロ玉の様にすき通る声がきわだってきこえた。茶の間から足音をきいて出てきたば....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
風が、いつもは部屋に立てられてあったが、今は姿が見られなかった。異国製だとかいうビードロ細工の、旦那の自慢の燈籠があって、庭裏に向いた高い鴨居から、いつもキラビ....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
、栞は、しばらく刀箱を見ていたが、やがて蹲むと、刀箱を引き上げた。箱からしたたるビードロのような滴を切り、彼女は、両手で刀箱を支え、じっと見入った。ゆかしい古代....
平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
まじッておッたのですけんが、そン節お種を見染め、手紙に添えて指輪《ゆびがね》やらビードロの笄簪《かみさし》やら金入緞子《きんいりどんす》やら南京繻子《なんきんじ....