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フランネル
「フランネル〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
フランネルの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
寒さ。まだ雪の雫の干ない足袋は、ぬれ草鞋のように脱いだから、素足の冷たさ。実は、
フランネルの手首までの襯衣は着て出たが、洗濯をしないから、仇汚れて、且つその……....
「西航日録」より 著者:井上円了
インドは当時晴期にて、毎日快晴、一片の雲を見ず。気候は不寒不熱、日中は単衣、朝夕
フランネルを適度とす。夜具はケット一枚にて足れり。ただし蚊帳を要す。カルカッタ市....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
を誓った。 虎公と僕とは記念の写真を撮った。そして僕は母にねだって、暖かそうな
フランネルのシャツとズボン下とを作ってもらって、それを餞別に送った。 僕は大将....
「秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
て土地自慢は無理もないことである。とかくするあいだに空は再び晴れた。きのうまでは
フランネルに袷羽織を着るほどであったが、晴れると俄にまた暑くなる。芭蕉翁は「木曾....
「磯部の若葉」より 著者:岡本綺堂
。それは「どうも困ります」の陰った日で、桑畑を吹て来る湿った風は、宿の浴衣の上に
フランネルを襲ねた私の肌に冷々と沁みる夕方であった。 寺は安中路を東に切れた所....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
地自慢は無理もないことである。とこうするあいだに空はふたたび晴れた。きのうまでは
フランネルに袷羽織を着るほどであったが、晴れると俄かにまた暑くなる。芭蕉翁は「木....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
廊下や壁掛けに飾られた密室のなかにあった。そこでは、アントニイ・ベエコンが、脚を
フランネルで巻きながら、忙しくペンを走らせているのである。大きな企画が考え出され....
「小公女」より 著者:菊池寛
ていわかっていました。そっとといてみると、中は針さしでした。あまり美しくもない赤
フランネルに、黒いピンが『お目出度う』という字の形に並んでささっていました。 「....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
てはいませんでした。イギリスの子どものように、長い上着と下着を着ていました。白い
フランネルの上着にたいそうしなやかな麻の服を重ね、白い絹でふちを取って、美しい白....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ろの、赤土の見える所がそうよ」 私は彼女と並んで立った。 彼の女は明るい色の
フランネルを着て、やはりお下げであった。若葉をもれる光りで見ると、いつもの蝋色の....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
、鋸の歯のように縁を刻んだ葉を、眼醒めるように鮮やかな緑に色づけて、その裏面には
フランネルのような白い毛が、おもての緑と対照するために、密やかに布いている、恰度....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
ぬぐいで鉢巻きをしていた、かれらのきたシャツにはメリヤスもあればねずみ色に古びた
フランネルもあり、腕のないじゅばんもあった、かれらは大抵さるまたの上にへこ帯をき....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
信号用ののろし具一式、船上の大砲の火薬および弾丸。 食器類一式。 毛布、綿、
フランネル、大小ふとん、まくら。 晴雨計二、寒暖計一、時計二、メガホン三、コン....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
ていたのは、死んだ母のむくろになっていて、それに屍布が被せてあり、墓の蛆虫がその
フランネルのひだのなかを匍いまわっていた。怖ろしくなって夢からさめると、冷汗が額....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
大きな髷にさした髪の飾りも重そうに見える女の連れ、男の洋傘をさした娘もあれば、綿
フランネルの前垂をして尻端を折った児もある。黒い、太い足に白足袋を穿て、裾の短い....