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ベランダ
「ベランダ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ベランダの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球盗難」より 著者:海野十三
台の幹部学者の申入れがあったものだから、大隅はその席に出た。それは涼しい北向きの
ベランダで、冷い水とメロンと洋菓子とが出ていた。 謙遜する大隅を主座になおして....
「河明り」より 著者:岡本かの子
らない強い薬性の匂いが入れ混って鬱然と刺戟する。 私と社長は、その凌霄花の陰の
ベランダで、食後の涼をいつまでも入れている。娘は食後の洗物を手伝って、それから蓄....
「唇草」より 著者:岡本かの子
支度をしてしまってもう明日は船に乗り込めばいいことにして、千代重は私とGホテルの
ベランダで、夏の夜更けまで、港の灯を眺めながら語った。彼は彼の日本で暮した青年期....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
病室は、やはり二間つづきの兄の部屋になおされたし、応接間はすっかり壁紙が代わり、
ベランダがつけられた。母は、私と姉の部屋に、きれいな飾り戸棚のついた箪笥を二つ並....
「ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
た地主 マリーナ 年寄りの乳母 下男 セレブリャコーフの田舎屋敷での出来事 庭。
ベランダのついた家の一部が見える。並木道のポプラの老樹の下に、テーブルがあって、....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
い電燈に、丸味をおび、つやつやしく光っているのも、妙《みょう》に心ぼそい感じで、
ベランダに出ました。遥か、浅草《あさくさ》の装飾燈《そうしょくとう》が赤く輝《か....
「あひると猿」より 著者:寺田寅彦
あったように思われるので、ことしの夏も奮発して出かけて行った。 去年と同じ家の
ベランダに出て、軒にかぶさる厚朴の広葉を見上げ、屋前に広がる池の静かな水面を見お....
「高原」より 著者:寺田寅彦
接待に連れ去られたそうである。生き残った家鴨どもはわれわれには実によく馴ついて、
ベランダの階段の一番上まで上がって来てパン屑をねだる。そうして人を頼る気持は犬や....
「小爆発二件」より 著者:寺田寅彦
八月十七日の午後五時半ごろにまた爆発があった。その時自分は星野温泉別館の南向きの
ベランダで顕微鏡をのぞいていたが、爆音も気づかず、また気波も感じなかった。しかし....
「先生への通信」より 著者:寺田寅彦
ここの学術雑誌に載せてくれたのだそうです。ここはもうフランスの国境近くで、屋敷の
ベランダから牧場越しに国境の森が見え、またヴォルテールの住まっていたという家も見....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
も日本の気候に適応した巧妙な設計である。西洋人は東洋暖地へ来てやっとバンガローの
ベランダ造りを思いついたようである。 障子というものがまた存外巧妙な発明である....
「人魂の一つの場合」より 著者:寺田寅彦
た本館前の広場で盆踊りが行なわれて、それがまさにたけなわなころ、私の二人の子供が
ベランダの籐椅子に腰かけて、池の向こうの植え込みのすきから見える踊りの輪の運動を....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
は決して楽しい気分で、部屋へ落ち着いたとは思えなかったが、サンルウムのような広い
ベランダを東と西に持ったサルンの煖炉には、いつも赤々と石炭が燃やされ、部屋にもス....
「縮図」より 著者:徳田秋声
と別に話すべきこともなく、今の自分の姿にも負け目が感じられ、後は加世子に委せて、
ベランダへ出て風に吹かれていた。均平はこの年になっても持前のわがままがぬけず、別....
「乾杯」より 著者:豊島与志雄
たたえて残っていました。つまみ物はチーズにピーナツというところでした。それから、
ベランダの小卓に、山川正太郎が片肱をついて、掌に額をもたせていました。その前には....