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ボール箱
「ボール箱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ボール箱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
はすぐ知れますわ……御覧なさいあれを」
といって棚《たな》の上にある帽子入れの
ボール箱に目をやった。
「古藤さんに連れて行っていただいてあれを買った時は、ずい....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
研究問題ではあるまいか。 裏通りも同様にアケスケな処が殖えて来て、飾も何もない
ボール箱式が多く、かなりの大きな家をトタン板で貼《はり》固めた、ペスト予防よろし....
「三の字旅行会」より 著者:大阪圭吉
つまり、時々大量に送る荷物を、毎日少しずつに分けて、カバンでもトランクでも、或は
ボール箱でも風呂敷包みでもなんでもいい。兎に角手頃な手荷物の恰好にこしらえて、そ....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
いながら、「ヘイ、ございます。……煽り留めとでも申しましょうか。」 出して来た
ボール箱には、なるほど、アオリドメと片仮名でちゃんと書いてあった。 うまい名を....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
を動揺し、半分黒焦げになったりポンプの水を被ったりした商品、歪げたり破れたりした
ボール箱の一と山、半破れの椅子や腰掛、ブリキの湯沸し、セメント樽、煉瓦石、材木の....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
私は何んとかして、も少しいい住宅を彼らのために作ってやりたいと思い、私は手頃な
ボール箱を持ち出して、その中をあたかもビルディングの如く、厚紙で五階に仕切り、沢....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
て、目ぼしい品物をすっかり座敷に並べて、大声で叫んだり、小さな紙片に何か書いて、
ボール箱の中に投げこんだりした。村じゅうの人たちが、庭一ぱいに集まって来て、それ....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
で、この林檎の皮なんだが」大月はそう言って、いつの間に何処からか取り出した小さな
ボール箱の中から、大切そうに二|筋の林檎の皮を取出しながら「この古い方は断崖の上....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
店に限り日頃取引している金額に対して過ぎるほど立派な金目の品物を持って来る。ある
ボール箱屋はまだ取引をしていないにもかかわらず、何とかして得意にしようと年末使い....
「桜の園」より 著者:神西清
ころへ行くんですな。僕としては、ただただ羨望に堪えんですよ。(トランクを、帽子の
ボール箱の上へ置いて、つぶしてしまう)ほらこれだ、つまり結局。どうせそうだろうと....
「科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
っている説明書をみな下さい」 科学者は説明書の束と、セルロイド製の鵜烏の入った
ボール箱とを小脇にかかえると猛然として夜店の人波をつき崩し、真しぐらに下宿の自室....
「誤った鑑定」より 著者:小酒井不木
し、家の隅々を捜索した結果、牛小舎の装具置場の高い棚に、パリス・グリーンの入った
ボール箱を見つけた。その箱は破りあけられて、内容が少しばかり取り出され、粉末の一....
「国境」より 著者:黒島伝治
の脇にひっぱりこまれた。橇の毛布には、田川の血が落ちて、凍りついていた。支那人は
ボール箱の荷物をおろすと、脂ぎった手で無神経にその毛布をめくり上げた。相変らず、....
「かもめ」より 著者:神西清
左右にドア。食器|棚。薬品の戸棚。部屋の中央にテーブル。旅行カバンが一つ、帽子の
ボール箱が幾つか。出立の用意が見てとられる。トリゴーリンが朝食をしたため、マーシ....
「青い紐」より 著者:田中貢太郎
ままにしてあるわ」 女は顔をあげて右の鴨居の方を見た。そこには小さな棚があって
ボール箱もあれば木箱も見えていた。 「味はどうですか、青い色をした酒よ」 女が....