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ロイド眼鏡
「ロイド眼鏡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ロイド眼鏡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
厚ぼったい霜降りの外套を着て、後襟だけをツンと立てているが、うす紅色の球の大きな
ロイド眼鏡をかけている故か眼の下の頬がほんのりと赤味をさしている。彼は吸いかけの....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
は、一寸そのままで黙っていたが、やがてゆっくり立上って大きく欠伸をひとつすると、
ロイド眼鏡の硝子を拭き拭き、 「有りましたよ。いや。仲々沢山に有りましたよ。――....
「巴里のキャフェ」より 著者:岡本かの子
でチョッキを着ないドイツ人。鼻の尖った中年のイギリス紳士。虎の毛皮の外套を着て、
ロイド眼鏡をかけた女があったらアメリカ娘と見てよろしい――彼女はタキシードを着た....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
れついて、通りがかりの船を待っていました」 「その間、ネモ号は」と、ケプナラ君が
ロイド眼鏡をひからせる。 「なにしろ、無電が壊れているんで、サッパリ消息が分りま....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
派手しい理由はない。風……。僕の翻意の原因は、風にある」 「へえ。風がね」 と
ロイド眼鏡をひからせてまっ先に乗り出してきたのが、「スター紙」の山岳通マクブリッ....
「秋深き」より 著者:織田作之助
柄だとわかった。男の方がずっと小柄で、ずっと若く見え、湯殿のときとちがって黒縁の
ロイド眼鏡を掛けているため、一層こぢんまりした感じが出ていた。顔の造作も貧弱だっ....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
ると、入れ違いに先程の美少年がはいって来た。彼はぼくの顔と明日子の顔を見比べて、
ロイド眼鏡の奥でちらりと笑った。ぼくもにやっと笑った。そして表へ出ると、明日子は....
「私の洋画経歴」より 著者:小野佐世男
リックス(猫の主人公)の「インキ壺の中なら」なぞは、めずらしいので眼を丸くした。
ロイド眼鏡のハロルド・ロイドの長篇喜劇等、喜劇ファンであった僕には語りつくせぬも....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
のところへレポを頼んだのである。 それによると、私が非常に追及されていること、
ロイド眼鏡《めがね》をかけていることさえも知られていること、それからあんな奴は少....
「握った手」より 著者:坂口安吾
ないと断定するのである。水木由子は大学生になって二月目ぐらいに近眼でもないくせに
ロイド眼鏡をかけるようになった。そして眉の根に小ジワをよせてからでなければ物を云....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
にきまっている。空気も悪いから郊外へ行く必要があるし、ホコリが非道《ひど》いから
ロイド眼鏡も奮発せねばならぬ。雨が降ると靴カバーが利かないから、八円のゴム靴を買....
「人の首」より 著者:高村光太郎
隣人無きが如く連れの人と家庭の内輪話をしているお神さんもある。民衆論を論じている
ロイド眼鏡の青年もいる。古着市に持ち出した荷物を抱えている阿父さんもいる。其がみ....
「愛と美について」より 著者:太宰治
った。すごく、痩せている。弟妹たちに、馬、と呼ばれることがある。髪を短く切って、
ロイド眼鏡をかけている。心が派手で、誰とでもすぐ友達になり、一生懸命に奉仕して、....
「グッド・バイ」より 著者:太宰治
ての、極《きわ》めて不きんしんな事。紋服の初老の大男は、文士。それよりずっと若い
ロイド眼鏡《めがね》、縞《しま》ズボンの好男子は、編集者。 「あいつも、」と文士....
「乞食学生」より 著者:太宰治
かった。熊本という逞しい名前の感じは全然、無かったのである。白くまんまるい顔で、
ロイド眼鏡の奥の眼は小さくしょぼしょぼして、問題の鼻は、そういえば少し薄赤いよう....