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一つとして
「一つとして〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一つとしての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
、あるいはまたその流れへ御放しになった、何羽とも知れない白鷺《しらさぎ》と申し、
一つとして若殿様の奥床しい御思召《おおぼしめ》しのほどが、現れていないものはござ....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
破廉恥な女に見えた。乱れた髪のかかりと云い、汗ばんだ顔の化粧《けしょう》と云い、
一つとしてあの女の心と体との醜さを示していないものはない。もしそれまでの己があの....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
と》、四に貪望《とんもう》、五に色欲、六に餮饕《てっとう》、七に懈怠《けたい》、
一つとして堕獄の悪趣たらざるものなし。されば DS《でうす》 が大慈大悲の泉源た....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
《しょうにん》さまよえるゆだやびとと問答の事」は、当時の天主教徒間に有名な物語の
一つとして、しばしば説教の材料にもなったらしい。自分は、今この覚え書の内容を大体....
「星座」より 著者:有島武郎
すべ》をまったく知らなかったから。そして一般に日本の処女が持ち合わしている話題は
一つとして園の生活の圏内にはいってくるような性質のものではなかったから。童貞であ....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
の煙の立ち騰《のぼ》ること等、およそ這般《このはん》のささいなる事がらといえども
一つとしてくだんの巡査の視線以外に免《のが》るることを得ざりしなり。 しかも渠....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
は君自身にすら物すごいほどだった。空といい、海といい、船といい、君の思案といい、
一つとして目あてなく動揺しないものはない中に、君の心の底だけが悪落ち付きに落ち付....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
られるのは全くスペクトル分析のおかげである。その恒星という中には我々の太陽もその
一つとして数えられているのである。ハーシェルは星雲をその外見上の進化の程度に従っ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ができて居り、経典の中から選り出した啓示を以て、之を裏書きしたまでである。ただの
一つとして、啓示の全部を承認するものはない。何となれば、啓示全部が首尾一貫したも....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
ある。 謙斎の話は、あれからなお続いて、小一の顕われた夜泣松だが、土地の名所の
一つとして、絵葉書で売るのとは場所が違う。それは港街道の路傍の小山の上に枝ぶりの....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
抜いて見ないで全体として見るような傾向になって来た。そんなら何故それらを初めから
一つとして現さないか。一一分解して現す必要が何処にあるか、とあれに書いてあったね....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
に決行されるこうした行為の裏面に、世間の人が極って探し求めるような大きな破綻は、
一つとして述べられていない。かえってこの手記は人生のささやかな悲惨事の緩慢な連続....
「初雪」より 著者:秋田滋
てくれるような期待とか希望、そんなものが何か自分にもあるだろうか? そんなものは
一つとして無かった。彼女が診てもらった医者は、子供は一生出来まいと云った。 前....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
た。 イカバッドは歌も得意だったが、ダンスも自慢だった。手足といい、筋といい、
一つとして遊んでいるものはないのだ。彼のだらりとしたからだが全部活動し、部屋をが....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
おるのであります。只見川問題といい、四日市燃料廠問題といい、炭鉱住宅問題といい、
一つとして利権とつながらざるものはございません。 過日、この壇上において、人格....