一つなる[語句情報] » 一つなる

「一つなる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一つなるの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
―」 出したところをむんずと見舞ったものは、おなじみのむっつり右門が十八番中の一つなる草香流やわらの逆腕の一手です。 「いてえ! な、な、なにするんでえ!」 ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ために計るものはいずれもまず力をその藩に尽くしはじめた。 中国の大藩、御三家の一つなる尾州ですらこの例にもれない。そのことは尾州家の領地なる木曾地方にもあらわ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
よりの預かり物と心得、随分大切に預かれば間違いないとその子に教え、今の日本の宝の一つなる金銀もそれをわが物と心得て私用に費やそうものなら、いつか天道へもれ聞こえ....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
た。順承は女玉姫を愛して、これに壻を取って家を護ろうとしていると、津軽家下屋敷の一つなる本所|大川端邸が細川邸と隣接しているために、斉護と親しくなり、遂に寛五郎....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
きのする納戸《なんど》の方へ行こうとすると、お雪ちゃんが、早くもその新しい調度の一つなる行燈《あんどん》をつり下げて、米友の先に立ちました。米友のために案内して....
人生における離合について」より 著者:倉田百三
て大乗仏教のような深い見方をすれば、「凡聖逆謗ひとしく廻入すれば衆水海に入りて味一つなるが如し」というような趣きもあるのであって、さまざまの人々がそのうけた精霊....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
リサンガあるいはエヴェレストともいう。これをチベット雪峰の三霊跡として居る。その一つなるツァーリーに私は参詣する心算であるが多分四ヵ月は掛るだろう。四ヵ月だけの....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
も語ろうとせぬ区域に、鍵はしばしば潜み隠れているのである。たとえば地方的不可解の一つなるミノガレという言葉の起りなども、後には立派な証拠として、通用する時が来る....
母の手毬歌」より 著者:柳田国男
日仕事に参与する者は、とてもひとりの老女だけではすむまいと思う。越後の七ふしぎの一つなる弘智法印の寺などでも、毎年四月八日の御衣がえという日に、もとは海べ七浦の....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
自然に歓喜踊躍の情が湧き出づる訳ではあるが、つまりは普通に落伍者の流れて行く道の一つなる遊芸の徒と、念仏の行者とが合致したものと解する。いわゆるハチヤ・茶筅など....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
お府坂寄人及び西坂のことは、次号において別に論じてみたい。 同じく五ヶ所唱門の一つなる瓦堂の名は、今も木辻の南の瓦堂町に遺っている。そしてここに鉾明神社のある....