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一つ家
「一つ家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一つ家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ん》の事も思った。今ごろは彼らはのうのうとして邪魔者がいなくなったのを喜びながら
一つ家に住んでいないとも限らないのだ。それとも倉地の事だ、第二第三の葉子が葉子の....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
、北海道ですら、滅多《めった》にはないひどい吹雪の日だった。市街を離れた川沿いの
一つ家はけし飛ぶ程揺れ動いて、窓|硝子《ガラス》に吹きつけられた粉雪は、さらぬだ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
へ引っ込もうというのか。半七はその仔細を知りたかった。 二 「おめえは
一つ家にいるんだから、何もかも残らず知っている筈だが、お前のところの親父は人から....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
別れたお半は、信次郎が十七八の頃から、おかしい仲になってしまったんです。そこで、
一つ家にいては人目がうるさいので、お半は信次郎に店を譲って杉の森新道に隠居するこ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
はたして礼ちゃん親子がやって来てからは、この失恋に似た妙な気持よりも、現に彼女と
一つ家に生活しているという喜びの方が、よほど強かった。 彼女等は、僕の室の窓か....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
角の穴から潜り込むと、法水は懐中電燈を点じた。円い光に映るものは壁面と床だけで何
一つ家具らしいものさえ、なかなかに現われ出てはこない。が、そのうち右辺からかけて....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
参詣があったと見える、この線香の包紙のほぐれて残ったのを、草の中に覗いたものは、
一つ家の灯のように、誰だって、これを見当に辿りつくだろうと思うよ。山路に行暮れた....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
子になる人を、縁があったらと、思詰め、念じ切っておりました。 こんなものでも、
一つ家に、十年の余も辛抱をしますうちには、お一人やお二方、相談をして下さる方のな....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
」 「小柳という奴は、よくねえ女だということは、おれも前から聞いていたが、まるで
一つ家のばばあだな。それからどうした」 「その晩すぐ近所の山女衒を呼んで来て、潮....
「白髪鬼」より 著者:岡本綺堂
んか。」 これは伊佐子さんとして無理からぬ質問ですが、その返事には困るのです。
一つ家に住んでいながら、一体この伊佐子さんと山岸との関係がどのくらいの程度にまで....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
、源蔵とお杉という子供を持っていて、松田から下大須へ通う途中のやや平らなところに
一つ家を構えていた。それは叔父がゆうべの宿である。源兵衛は仕事の都合で山奥にも杣....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
滝之助は念の為め見廻りに梯子を昇って外に出ようとした。 「ハテ、夜中にこの林間の
一つ家、誰が来ようぞ。来ればいかに忍んでも、土中の室には必らず響く。まァ安心して....
「人狼」より 著者:岡本綺堂
――幕―― 第二幕 一 第一幕とおなじ宵。 村はずれの
一つ家。久しく空家となりいたれば、家内はすべて荒廃したりと知るべく、家内の大部分....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
また妻らしい女を迎えた。今なら重婚であるが、その頃は門並が殆んど一夫多妻で、妻妾
一つ家に顔を列べてるのが一向珍らしくなかったのだから、女房を二人持っても格別不思....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
そうに一口飲んでから、茶碗を膝に置いて云いました。 「これから、あなたとは永らく
一つ家の棟の下に住んで貰わなければならん。遠慮はなるべく早く切り上げるようになさ....