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一つ屋根の下
「一つ屋根の下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一つ屋根の下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
ら不治の癌症《がんしょう》を癒《なお》そうとしていた。…… 余はこれらの人と、
一つ屋根の下に寝て、一つ賄《まかない》の給仕を受けて、同じく一つ春を迎えたのであ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
婆の連れ子にもせよ斯くまで心が穢かろうとは知らなんだ、若し知ったなら決して今まで
一つ屋根の下には住まわれぬ、余りの事に余は呆れて猶も無言のまま睨んで居たが、お浦....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
何もかも正直に申し立ててお上の慈悲をねがえ。おまえと重吉とはおなじ国者だ。それが
一つ屋根の下に毎日一緒に暮らしていれば、おたがいに気も合い、話も合って、若い者同....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
りあいから、どこかの道場のお嬢さんを見そめて、あんなにつくす自分の親切も通らず、
一つ屋根の下に住んでいても、いまだに赤の他人―― おまけにあの朝、顔色を変えて....
「心の河」より 著者:宮本百合子
セルの胸をころがり落ちた。彼女は、自分達が何のために、何を目当てにその日その日を
一つ屋根の下で生きて行くのかと思った。保夫は、外側からだけ見れば、疑いもなく毎朝....
「一九三二年の春」より 著者:宮本百合子
野でも、運動が高まるにつれ、家庭生活も当然変化して来て、だんだん夫婦がいつも必ず
一つ屋根の下に暮すことは出来ない場合がふえそうだという話が出た。 「一緒に暮せる....
「新しい一夫一婦」より 著者:宮本百合子
雨はきついのである。あるときはちりぢりとなって、あるときは獄の内外に、あるときは
一つ屋根の下に、それぞれの活動に応じ千変万化の必要な形をとりつつ階級の歴史ととも....
「青春」より 著者:宮本百合子
結婚生活こそ出発と思い、そのためにこそ貧窮もその身で知っている人と結婚したのに、
一つ屋根の下に暮して見れば、自分は翔びたくて日夜もがいて羽搏くし、そのひとは翔ぼ....
「親子一体の教育法」より 著者:宮本百合子
にはまった家庭教育という枠を、自分たちと子供らとの間からとりはずして大人も子供も
一つ屋根の下ではむき出しに生活して行ったことだと思う。明治と共に生きた親たちは、....
「淪落」より 著者:林芙美子
くなるだろうと姉さんが云つた。大した田地もないのに、こんなに元気なものがうようよ
一つ屋根の下に暮していては、いまに暮してゆけなくなると上の兄さんも云つている。わ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
へ入れた。お兼には孫七という栄三郎と同《おな》い年の息子があったが、それをつれて
一つ屋根の下に起き臥《ふ》ししているうちにいつしかお兼は栄三郎を実子のように思い....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
しが》にもかけていない。来れば来たかで、部屋の隅っこへごろ寝をさせてやるだけで、
一つ屋根の下に泊まっていても、なんということはないんです。
丹下左膳が、つい近....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
となっている高音と、絞れるだけさんざん絞っている後家さんのおせい様とが、こうして
一つ屋根の下にいて、だんだん親しくなりつつあることは、両方から両方へ好ましくない....
「ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
体どうしたことだ、ええ? あの気ちがいを、どっかへ引っぱって行ってくれ! とても
一つ屋根の下じゃ暮していけない! 現にあすこに(と中央のドアをさして)とぐろを巻....
「はつ恋」より 著者:神西清
四、五日して、わたしは自分でどうしてもそうせずにはいられなくなって、わたしたちと
一つ屋根の下に住んでいたある貧しい老婆の、臨終に立ち会ったことがあった。ぼろに身....