一つ書[語句情報] » 一つ書

「一つ書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一つ書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
。すると、折り返して来た手紙には、始めからしまいまで猛烈な非難の文句のほかに、何一つ書いてない。 自分はあなたの八犬伝といい、巡島記といい、あんな長たらしい、....
水の三日」より 著者:芥川竜之介
原君の推奨によって買ったものらしい。景品の説明は、いいかげんにしてやめるが、もう一つ書きたいのは、黄色い、能代塗《のしろぬり》の箸《はし》である。それが何百|膳....
星座」より 著者:有島武郎
受取ったので今夜発ちます。御返事はあとから」 しかし園はそう書いてくると、もう一つ書き添うべき大事なことのあるのに気づいた。それはおぬいさんのことだった。しか....
赤外線男」より 著者:海野十三
たのに、一週間ほど前に急に行方不明になってしまった。遺書でもないかと調べたが、何一つ書きのこされていなかった。全く原因が不明だった。 例の身許の知れぬ轢死婦人....
碁の手直り表」より 著者:菊池寛
にいて原稿をかいているのだが、去年の秋から新聞を二つ書かねばならなかった。新聞を一つ書くにも二時間はかゝる、二つ書くと四時間以上はかゝる。家にいて、新聞を二つ書....
四次元漂流」より 著者:海野十三
ので、非常な不安な気持になり、この頃ではよく寝こむ始末であった。 それからもう一つ書いておかねばならぬことは、多摩川べりが連日にわたって厳重に捜索せられたこと....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
ないと思います。それで絵のことは御免蒙って日本から来た僕宛のカワセが紛失した話を一つ書くことにします。これはパリなどへ送金する上にあるいはまた参考になることかと....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
みたくて困っている。 トランクから妙に西洋の話になってしまったからついでにもう一つ書いてしまう。 私はある冬、ベルリンに一カ月あまり滞在していたことがあった....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
をむんずと掴んで愧かしそうに、恐る恐る言った。 「ではお前のやりいいように丸でも一つ書くんだね」 阿Qは丸を書こうとしたが筆を持つ手が顫えた。そこでその人は彼....
貞操問答」より 著者:菊池寛
なって、お互に気まずい思いの数々を、味わわなければならぬと思うと、今更美沢に手紙一つ書きにくく、電話一つかけにくいような、割切れないものが、心の底に澱んでいた。....
恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
される迄は牛だとばかり思っていた故なり。 恒藤は又論客なりき。――その前にもう一つ書きたき事は恒藤も詩を作れる事なり。当時僕等のクラスには詩人歌人少からず。「....
芸術上の心得」より 著者:倉田百三
らぬ。芸術は一つの技術である。技術は何によらず練習するより他に上達する道はない。一つ書くごとに成長してゆくものである。ロダンなどは絶え間なく練習していたというこ....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ころがっていれば必ず燃えつき、又種子となって地下にくぐるのだ。 宗教のことでも一つ書きとめて置きたい事がある。 十一、二の頃だった。私は一人戸郷川という村境....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
せずに、それを心から悲しきことに思いましたのでしたね。私は「隣人の愛」というのを一つ書きました。どうもあまりパッショネートになっていけません。そして近代のエゴイ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
に、私がかのチベット国から出ねばならぬようになりましたが、其書に訳の分らぬ言葉が一つ書いてあるという様子を聞いてみるに、あるいはロシア語ではないかしらんと思いま....