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「一の所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一の所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人間失格」より 著者:太宰治
のような時、自分の脳裡におのずから浮びあがって来るものは、あの中学時代に画いた竹一の所謂「お化け」の、数枚の自画像でした。失われた傑作。それは、たびたびの引越し....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
といっても私のものだ。私はこの生命を私の思うように生きることが出来るのだ。私の唯一の所有よ。私は凡ての懐疑にかかわらず、結局それを尊重|愛撫しないでいられようか....
地球盗難」より 著者:海野十三
ンの「有史前に於ける生物発生論」という大冊の原書をひきよせて最初からおよそ三分の一の所を拡げて、読み耽っていたところであった。その記事によると、馬の祖先には、人....
青年」より 著者:森鴎外
use もこの時棒立ちに立って、蝙蝠傘を体に添えるようにして持って、出て行く。純一の所へは、駅夫が切符を持って催促に来た。 プラットフォオムはだいぶ雑※してい....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
動なのだから、その当然な同伴現象として、観念自身の原始化を現実的に結果するのが唯一の所得なわけである。そしてこうした観念の原始化又は原始観念の支配は、論理的又社....
幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
ように、いつまでも眠り続けた。 午後になって順造は眼を覚した。起き上るとすぐ順一の所へ駆けていった。縁側に坐ってぼんやり考え耽ってる竜子の膝から、いきなり順一....
」より 著者:織田作之助
を探して歩いたが、家出した男を雇ってくれるところもなかった。月給袋のなかの金が唯一の所持金だったが、だんだんにそれもなくなって行った。半分は捨鉢な気持で新聞広告....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
かと思った。もはや、驚く心をも失ったのだ。しかし、何も知らぬ一座の人々は、三度同一の所を眺め、そこに第三の女を見出して、やや、ざわめきが起った。 二人の女の姿....
血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
るが、笠神博士がそんな不正な事情のあるのを承知で、買入れられるかどうか疑わしい。一の所で述べた通り、それほど値打のあるものではないのだ。情を知らないで買われたも....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
一切のものを支払う基金であることを認めても、しかも土地所有者がこの剰余生産物の唯一の所有者であると想像するのは誤りであると思われる。資本を貨幣に実現したものは、....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
って中央は通路を跨いで橋が掛かり、これを潜って中堂がありました。此所が山中景色第一の所でした。 この辺一帯をかけて、その戦後の惨景は目も当てられず、戦い歇んで....
審判」より 著者:カフカフランツ
いているようだ。おれの膝の上にのっているこの様子はどうだ、まるでここがこの女の唯一の所を得た場所とでもいうみたいだ! 「だめよ」と、レーニは答え、ゆっくりと頭を....
訳本ファウストについて」より 著者:森鴎外
らしめる積でいる。それで現にあの印行本にも余計な事は一切書き添えなかった。開巻第一の所謂扉一枚の次に文芸委員会の文句が挿んであるが、あれも委員会からの注意を受け....
」より 著者:織田作之助
雨が降り続いた。六畳の部屋一杯お襁褓が万国旗の様に乾された。お君はしげ/″\と豹一の所にやって来た。火鉢の上でお襁褓を乾かしながら、二十歳で父となった豹一と、三....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
を授けるということは、いわゆるホカイビト(乞食)が祝言を唱えて、米銭を得るのと同一の所行と解すべきものである。 さればその所行の問題はしばらく措き、いま菩薩と....