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一の矢
「一の矢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一の矢の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
射止めよと仰せられたので、そこに居あわせた行綱はすぐに弓矢をとって追いかけたが、
一の矢はあえなくも射損じた。慌てて二の矢を射出そうとすると、どうしたのか弓弦《ゆ....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
《てんじょうびと》の常か、動く景色《けしき》も見えぬ。ただ男だけは気が気でない。
一の矢はあだに落ちた、二の矢のあたった所は判然せぬ。これが外《そ》れれば、また継....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
中をぞ射たりける、その手答へ鉄を射るやうに聞えて、筈を返してぞ立たざりける、秀郷
一の矢を射損じて安からず思ひければ、二の矢を番《つご》うて、一分も違《ちが》へず....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
ず二の矢を飛ばせたが、これも外れたか旗が出ない。 「ウワーッ、いよいよ昼行灯だ!
一の矢二の矢を仕損じながら、沈着ようはマアどうだ」 「恥なければ心安し。一向平気....
「田原藤太」より 著者:楠山正雄
と退治てあげるから、安心しておいでなさい。」 といいながら、欄干に片足をかけて
一の矢をつがえて、一ぱいに引きしぼって、切って放しました。矢はまさしくむかでのみ....
「鵺」より 著者:楠山正雄
が何だかさっぱりわかりません。一生懸命心の中で八幡大神のお名をとなえながら、この
一の矢を射損じたら、二の矢をつぐまでもなく生きては帰らない覚悟をきめて、まず水破....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
て来た。 「残念!」とばかり二の矢をつがえ再びひょうふっと切って放したが、結果は
一の矢と同じであった。二つに折れて地に落ちた。 心掛けある源兵衛は三度射ようと....
「艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
、鼻白んだが、さりとて到底このまま引き下がってしまえるわけのものでもない、ようし
一の矢が外れたらすかさず今度は二の矢といこう、どっこいこっちにゃまだまだ奥の手が....
「蟹満寺縁起」より 著者:岡本綺堂
かね。 青年 空を飛ぶ鳥でもかならず射落します。蛇が今夜ここへ襲って来たら、まず
一の矢でそのひかった眼を射透してみせます。二の矢でその咽喉を射ぬいて見せます。大....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
その三人の前へ立った。 「むごい殺し方をするよりは、ただひと矢にと思ったのだが、
一の矢、襟元をかすめて合歓の木の幹へ刺さってしまった」 「では、世阿弥のやつ、覚....