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「一上一下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一上一下の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
したる白泡《しろあわ》は木綿《きわた》の一袋もありぬべし。 かかるほどに車体は一上一下と動揺して、あるいは頓挫《とんざ》し、あるいは傾斜し、ただこれ風の落ち葉....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
一面の穂麦を敷いて、男は男、女は女と相並んでの差向い、片足踏出し、気合を入れて、一上一下とかわる/″\打下ろす。男は股引に腹かけ一つ、黒鉢巻の経木真田の帽子を阿....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
が、小兵衛は自分の心が手にとるように師の背中に映っているのだと思うと、自分の心の一上一下の進退が、まるで人の心のように思えて来た。 「先生」 「何だ」 「私はも....
十二支考」より 著者:南方熊楠
を食う。清水の舞台から傘さして飛ぶように無難に飛び下るばかりで、鳥や蝙蝠のごとく一上一下はし得ないから、南方先生の居続け同然数回飛べばどん底へ下り、やむをえず努....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
ある。時は三月の初旬、日本はまだ寒いが、南半球は九月のごとくあたたかい。 船は一上一下、奈落の底にしずむかと思えばまた九天にゆりあげられる、嵐はますますふきつ....
かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
まいと遠慮なく発議者に斬り込まれそれ知られては行くも憂し行かぬも憂しと肚のうちは一上一下虚々実々、発矢の二三十も列べて闘いたれどその間に足は記憶ある二階へ登り花....
三国志」より 著者:吉川英治
るわけはない。 両雄は実に火華をちらして戦った。丈八の蛇矛と、画桿の方天戟は、一上一下、人まぜもせず、秘術の限りを尽し合っている。 さしもの張飛も、 「こん....