一両[語句情報] »
一両
「一両〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一両の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
くらい、中御門の御姫様と仰有《おっしゃ》る方は、御美しかったのでございます。私が
一両度御見かけ申しました限でも、柳桜《やなぎさくら》をまぜて召して、錦に玉を貫い....
「竜」より 著者:芥川竜之介
すので、さてこそ鼻蔵鼻蔵と、謡《うた》われるようになったのでございます。現に私も
一両度、その頃奈良の興福寺《こうふくじ》の寺内で見かけた事がございますが、いかさ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
から、巻莨の吸殻沢山な火鉢をしきりに突着けられても、興に乗る話も出ず。しかしこの
一両日に、坂田と云う道学者が先生を訪問はしませんか、と尋ねて、来ない、と聞いただ....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
ますで、気をつけなければなりません。――ただいまさしあげました鶫は、これは、つい
一両日続きまして、珍しく上の峠口で猟があったのでございます。」 「さあ、それなん....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
「ば、ば、馬鹿」と看守は慌てて呶鳴った。「おれが見ても判らん。上申してやるから
一両日待っとれッ」 ガチャンと窓に蓋をして、看守は向うへ行ってしまった。 私....
「雷」より 著者:海野十三
りした。 そのうちに、このカフェから、妙な噂が拡がっていった。それは元々、つい
一両日前からこのカフェの福の神となった化助の口から出たことであったけれど、北鳴の....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
うにござります。 騒ぐな。 騒ぐまいてや、やい、嘉吉、こう見た処で、二|歩と
一両、貴様に貸のない顔はないけれど、主人のものじゃ。引負をさせてまで、勘定を合わ....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
都帝国大学にシュタムラアとかラスクとかを講じ、僕は東京に文を売る。相見る事一年に
一両度のみ。昔一高の校庭なる菩提樹下を逍遥しつつ、談笑して倦まざりし朝暮を思えば....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
おや、私のことかい。」 「お聞きねえ、伺いやすがね、こう見渡した処、ざっとこりゃ
一両がもんだね、愛吉一年の取り高だ。先刻お湯銭が二銭五厘、安い利だが持ちませんぜ....
「妖怪学」より 著者:井上円了
光線中に無数の塵毛のかかるを見て知るべし。また、障子の骨あるいはランプの台などを
一両日払わざるときは、無数の塵毛のその上にとどまるを見るなり。その塵毛は大小長短....
「迷信解」より 著者:井上円了
例を挙げて示そうと思う。「昔、伊勢の国のある山寺の小僧、ふと失せて見えなくなり、
一両日を過ぎて堂の上におるを見つけ、これを引きおろして見るに、全く正気を失いいた....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
がある。丁度賞牌を貰って帰って来た時、下岡蓮杖が来合わした。こんなものよりか金の
一両も貰った方が宜かったと、椿岳がいうと、そんなら
一両で買いましょうと、一円出し....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
明のごとくたやすく模擬することあたわず、かつその進歩は永き歳月を要するをもって、
一両年間にその成功を見ること難ければなり。しかれども、もしわが国をして西洋に対立....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
これまでに無いですよ。何だって、一本五貫ずつにしましても十二両、十貫にすりゃ二十
一両の仕事ですもの。どうも、お茶屋さんは、えらいですよ。』 漁『そう当っては、素....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
開始すると、先ず和(オランダ)、白(ベルギー)、仏三国の主要飛行場を空襲して大体
一両日の中に制空権を得て、主として飛行機と機械化兵団の巧妙な協同作戦に依って神速....