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「一中節〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一中節の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文学好きの家庭から」より 著者:芥川竜之介
私の家は代々お奥坊主《おくぼうず》だったのですが、父も母もはなはだ特徴のない平凡な人間です。父には一中節《いっちゅうぶし》、囲碁、盆栽、俳句などの道楽がありますが、いずれもものに....
老年」より 著者:芥川竜之介
橋場《はしば》の玉川軒《ぎょくせんけん》と云《い》う茶式料理屋で、一中節《いっちゅうぶし》の順講があった。 朝からどんより曇っていたが、午《ひる....
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
えんか》堺屋《さかいや》と云う薬店《やくてん》へ出入《でいり》の菅野伊之助と云う一中節《いっちゅうぶし》の師匠と姪《めい》の若が不義をいたし、斯様《かよう》なこ....
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
く来ます。 三十九 お賤は調子が宜し、酒が出ると一寸小声で一中節《いっちゅうぶし》でもやるから、新吉は面白いから猶《なお》近しく来る。其の....
硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
私の知っている父は、禿頭《はげあたま》の爺《じい》さんであったが、若い時分には、一中節《いっちゅうぶし》を習ったり、馴染《なじみ》の女に縮緬《ちりめん》の積夜具....
三四郎」より 著者:夏目漱石
ごろ何をしているかね」と原口さんに聞くと、原口さんがこんな事を言う。 「やっぱり一中節《いっちゅうぶし》を稽古《けいこ》している。もう五つほど上げた。花紅葉吉原....
新生」より 著者:島崎藤村
を読むことを習って来た。その節子が学窓を離れて岸本の家へ来て見た時は、筋向うには一中節《いっちゅうぶし》の師匠の家があり、その一軒置いて隣には名高い浮世画師の子....
追憶」より 著者:芥川竜之介
いたためかもしれない。 一九 宇治紫山 僕の一家は宇治紫山という人に一中節を習っていた。この人は酒だの遊芸だのにお蔵前の札差しの身上をすっかり費やし....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
「其様な事だって、それが肝腎なので、ウンと仰しゃい、男が好くって、ちょいと錆声で一中節が出来る、それで揉むのが上手でお灸を点えたり何かするので……」 女「私は実....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
歌師|談洲樓焉馬の弟子で馬作という男、併し狂歌は猿丸太夫のお尻という赤ッ下手だが一中節を少し呻るので、それで客の幇間を持って世を渡るという男、唯此の男の顔を見る....
美音会」より 著者:佐藤垢石
ョロッとした人で、楽器を休めている時は、いつも四辺を気にしていた。 次の序遊の一中節。あの禿げた頭を前の方へ伸べて平たく座って見台を眺めたところを見ると吉備舞....
銀座」より 著者:永井荷風
閉めきった座敷の中《なか》は黄昏《たそがれ》のように薄暗く、老妓ばかりが寄集った一中節《いっちゅうぶし》のさらいの会に、自分は光沢《つや》のない古びた音調に、と....
妾宅」より 著者:永井荷風
セをして巴里娘《パリイむすめ》の踊の裾《すそ》を歌わしめよ。われにはまた来歴ある一中節《いっちゅうぶし》の『黒髪』がある。黄楊《つげ》の小櫛《おぐし》という単語....
十日の菊」より 著者:永井荷風
しは聊《いささか》現代の空気に触れようと冀《こいねが》ったことである。久しく薗八一中節《そのはちいっちゅうぶし》の如き古曲をのみ喜び聴いていたわたしは、褊狭《へ....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
這入ったんでしょう」 若「ヘヽヽヽ」 客「然うでしょう、少し声がしゃがれてるし、一中節を習ったろう、あのーなにを唄ったろう……あれは端物だがいゝねえ、英一|蝶の....