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「一丸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一丸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
オランの書いたジャン・クリストフとワッセルマンの書いたダニエル・ノオトハフトとを一丸《いちがん》にしたような天才です。が、まだ貧乏だったり何かするために誰にも認....
島原の乱」より 著者:菊池寛
の旗を裂き竿を折った。屈せず猶進んだ重昌は、両手を塀に懸けて躍り込まんとした時、一丸その胸を貫いた。赤川源兵衛、小川又左衛門等左右を防いで居た家臣も同じく討死で....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
につないである多くの屋形船は今後どうなるだろうなどと言って見せるのもこの人だ。川一丸、関東丸、十一間丸などと名のある大船を水に浮かべ、舳先に鎗を立てて壮んな船遊....
薬草取」より 著者:泉鏡花
うだし、恐さは恐し、ぶるぶる顫えると、親仁が、強いぞ強いぞ、と言って、私の衣類を一丸げにして、懐中を膨らますと、紐を解いて、笠を一文字に冠ったです。 それから....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
カはない、勤労に対しては報酬がなければならぬ、と考へてゐる。ところが五名の女給は一丸となり、店側の忠実なる鬼の相を露呈して、自ら特権階級を僭称する倉田を軽蔑して....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
大概勝つ。つまり強い相手には始めから心構えや気組が変って慎重な注意と旺盛な闘志を一丸に立向っているからなのである。 私は勝負は残酷なものだと思った。もてる力量....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
したか、と云っても、その取締りは案外に無邪気なもので、草の根を分けてもという全国一丸の警察網を張りめぐらし、長年月にわたって徹底的に断圧、根絶を期したというのは....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
う。 「諸君、こしを低くして頭をさげろ」 イバンスのさけびがおわらないうちに、一丸がきたって、ひざまずかんとして少しおくれた、サービスのひたいをかすめた。 「....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
強く生きられるものでございます。今思いますと、若い時の沢山の苦しみが積み重なり、一丸に融け合って、ことごとく芸術的に浄化されて、今の境地が作り出されたのではない....
昔のことなど」より 著者:上村松園
らなって見に行ったことがあります。この会は京都の各派の先生方からお弟子さん達まで一丸とした会で、殊に新年大会には皆きばって出品され、階上も階下も一杯掛け並べられ....
夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
である箱崎になんなんとする地蔵松原――二里余もつづく千代の松原の一部、ここには米一丸の墓があって、人魂が飛ぶと云われた淋しいあたり、鉄道自殺と云えば地蔵松原を連....
明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
いうことはあまりに実際に適しないやりかたで、どうしても倫理は東西洋の倫理を打って一丸とし、実行するでなければならぬという考えから、余は国民道徳を主張し、学界の欠....
今日になるまで」より 著者:上村松園
あったか知れません。幾つも幾つも、そういう難関を突破して来て、今すべてが、打って一丸となって、それが悉く芸術に浄化せられて筆を持てば、真に念頭に塵一つとどめず絵....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
というように愛護者をたよって、その家の範囲内で歌合を催してはいても、京都を打って一丸とするような歌壇というようなものはなかったのである。それに、その出世がおそい....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
れば、必ず好結果を期待して誤らず。恰も、台湾|生蕃の、銃丸を惜むこと生命の如く、一丸空しく発せず、発せば必ず一人を殪すに似たり。実に、思えば思う程、男らしき釣な....