一事が万事[語句情報] » 一事が万事

「一事が万事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一事が万事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
の弥平を連れて見届けに出かけたが、不幸な利三郎はもはや起てない人であろうという。一事が万事だ。すべてこれらのことは、参覲交代制度の変革以来に起こって来た現象だ。....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
飼いの子供が、チャンと覚えてしまっても、まだ彼にはそれが覚えられなかったのです。一事が万事、こんなふうでしたから、とてもむずかしい経文なんかわかる道理がありませ....
わが半生を語る」より 著者:太宰治
きさよりも更に遠慮して、殆どそれは半分、いや、もっとはにかんで語っている程です。一事が万事、なにかいつも自分がそのために人から非難せられ、仇敵視されているような....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
だけは処々要点や利き目のある言葉を抜いて、報道したものだ。之は一例に過ぎないが、一事が万事であったのである。 紙面の編集方針の一変とも云うべき現象の背後には、....
社会時評」より 著者:戸坂潤
いう名目で一人当り五百円、を分領することに、市議達自身で決めたという事実である、一事が万事この調子でいながら、傭人税とか倶楽部税とかまでを新設した勝手な市当局者....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
たる犯人の将来の運命に関する極度の無関心と忘却が伴うのじゃ。こういうありさまで、一事が万事教会側のいささかの憐愍《れんびん》もなしに取り行なわれる。それというの....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
あとであちこち奉公してみて判ったのだが、これは船場一体のしきたりだったようです。一事が万事、丁稚奉公は義理にも辛くないとは言えなかったが、しかしはじめての盆に宿....
」より 著者:織田作之助
数えきれぬくらい多かったが、それでも一月たつともう登勢の言葉は姑も嗤えなかった。一事が万事、登勢の絞る雑巾はすべて乾いていたのだ。姑は中風、夫は日が一日汚い汚い....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ふりかけ紙に付着した材料をば綺麗に拭い取って、初めてその紙を捨てるのであります。一事が万事で、彼の工場には塵一つ落ちて居らないのであります。彼の俸給は四千円であ....
女侠伝」より 著者:岡本綺堂
の小娘であったのを、自分の手もとに置いて旅から旅を連れてあるいているというのだ。一事が万事、まずこういった風であるから、彼は一座の者から恨まれているような形跡は....
一世お鯉」より 著者:長谷川時雨
と、何処からか到来物らしい、新しいラッコの帽子を、そらきた、とやるのですからね。一事が万事で大変でさあね」 猫背《ねこぜ》な三味線の師匠は、小春日和《こはるび....
」より 著者:織田作之助
いので、買わぬらしい。 「字引を持たぬ小説家はまア君一人だろう」 私は呆れた。一事が万事、非常なズボラさだ。 細君が生きていた頃は、送って来る為替や小切手な....
大阪の可能性」より 著者:織田作之助
説明を含んだ書き方でごまかしているのである。が、これとても十分な書き方ではなく、一事が万事、大阪弁ほど文章に書きにくい言葉はないのだ。 大阪弁が一人前に、判り....
天衣無縫」より 著者:織田作之助
、庶務の方ではあの人がいつも無届欠勤をしているようにとっていたのだ、とわかった。一事が万事、なるほど昇給に取り残されるのも無理はないと悲しくわかり、その旨あの人....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
った例はたくさんある。しかしその当時における二百円はよほどの奮発であったらしい。一事が万事で、すべての方面に対してこういう風に思い切りのいい、きびきびした遣り方....