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一二を争う
「一二を争う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一二を争うの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
んですよ」 「なるほどなるほど、何の町道場じゃ」 「槍でござんす。何でも上方じゃ
一二を争う遣い手だったとか評判の、釜淵番五郎という名前からして気に入らねえ野郎で....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
を争い続けていたが、Wは元来の結核系統の家に生れたせいか、その当時の学生の中でも
一二を争う好男子の偉丈夫で、性質は念に念を入れる神経質の実際家……Mはまたその頃....
「旅愁」より 著者:横光利一
へ降りていった。
パリではモンマルトルの麓に一番高級な踊場が沢山ある。その中の
一二を争う家を選んで三人は中へ這入った。メイゾン・ルージュは中が全部紅いだった。....
「明るい工場」より 著者:宮本百合子
たちがどんなに生活するようになったか」 ドン国営煙草工場は生産高がソヴェト同盟
一二を争うほどあり、労働者は全体で千何百人かいる。仕事の性質上婦人が多いので、こ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の方から飛んで来るのにでっくわせました。 もとよりここは、甲州街道の道筋では、
一二を争う宿駅の一つ。まだ宵の口、幾多の人馬が往来することに、敢《あえ》て不思議....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のを見て、主人が敬服しました。 数ある画幅のうちで、主人にとって、この蛇足は、
一二を争う秘蔵のものであるらしい。しかしながら、この辺鄙《へんぴ》にお客に来るほ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
い気分でも、おたがいの関係をあしらえるほどになって行き、拙者の女房は内心で、家中
一二を争う美人、殿様でさえがお気があって物にならなかった女が向うから落ちて来たと....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
かりごと》を好む人傑の面影を見ることもできます。武田信玄の股肱《ここう》として、
一二を争う智将であったことは疑うべくもない。 その高坂弾正に一人の遺子《わすれ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
……情けないことに、籠城途中、禍《わざわい》が中から起った、小田原の老臣の中でも
一二を争う松田尾張入道という奴が、早くも秀吉に内通して裏切りをしようという事を申....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
室皆一燈を備える様な勢いをもって今日に及んで居る。 日本の電力及び電燈は世界で
一二を争う威勢だと云って誇るものもあるが、それは資本力のせいばかりではない、天然....
「町内の二天才」より 著者:坂口安吾
って下さいな。私に一モウケさせて下さい。恩にきますよ」 金サンは天元堂が市では
一二を争う将棋指しだということを思いだしたから、 「お前は将棋が強いんだってね」....
「温浴」より 著者:坂口安吾
うものは家主に使われているのが普通のはずであるが、ここはアベコベに、差配が伊東で
一二を争う金持で、御殿のような大邸宅に住んでいる。家主の方も相当な洋館にいるが、....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
からころげ落ちたという……」 土田が私をかえりみて外面を指した。嘗つては札幌で
一二を争う旅館だったそうだが、今は造りも古び、思いなしか座敷から洩れる灯影もまば....