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一人
「一人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
3
仲店の片側《かたがわ》。外套《がいとう》を着た男が
一人《ひとり》、十二三歳の少年と一しょにぶらぶら仲店を歩いている。少年は父親の手....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
出て、槍の柄を切り折られたら何とする。可哀《かわい》や剣術は竹刀《しない》さえ、
一人前には使えないそうな。」――こんな噂《うわさ》が誰云うとなく、たちまち家中《....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
、端然と膝を重ねたまま、さっきから書見に余念がない。書物は恐らく、細川家の家臣の
一人が借してくれた三国誌の中の一冊であろう。
九人一つ座敷にいる中《うち》で、....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
一 支那の上海の或町です。昼でも薄暗い或家の二階に、人相の悪い印度人の婆さんが
一人、商人らしい
一人の亜米利加人と何か頻に話し合っていました。 「実は今度もお婆....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
て貰った。それ程自分に兄貴らしい心もちを起させる人間は、今の所天下に菊池寛の外は
一人もいない。 まだ外に書きたい問題もあるが、菊池の芸術に関しては、帝国文学の....
「狂女」より 著者:秋田滋
か、そんなことにはまるで無関心であるらしく、ただ寝かされたままじいッとしていた。
一人の兵士が、女の衣類をいれた包を抱えて、その後からついて行った。 例の将校は....
「墓」より 著者:秋田滋
あいだを歩いて行き、彼は眼を覆わしめるような冒涜行為を目のあたりに見たのである。
一人の曲者が、前の日にそこへ埋葬された妙齢の婦人の死体を掘り出して、今しもそれを....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
」という言葉が使われるのだ。 そうした「動機もなく我とわが生命を断った」人間の
一人が書き遺していった手記がその男のテーブルの上に発見され、たまたま私の手に入っ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
べし。これよりして悦び悲しみ大憂愁大歓喜の事は老後を待ちて記すべし。これよりは予
一人の関係にあらず。お梅(かの女の名にして今は予が敬愛の妻なり)の苦心、折々|撓....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
。通りがかりの人で、この児に気づいた者は無論たくさんあったであろうが、しかし誰れ
一人として、この児が成人してから、世界を驚すような大科学者になろうと思った者があ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
である、先刻から、未婚の女でとおして来た年老いた伯母の手を弄ぶともなく弄んでいた
一人の若い女が、金色の頭髪でこしらえた小さな指環にふと目をとめた。その時までにも....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
の弟子たちのなかに、カトリーナ・ヴァン・タッセルという、オランダ人の金持ち農夫の
一人娘がいた。彼女は花はずかしい十八歳の乙女だった。しゃこのように丸々と肥って、....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
ど、彼の生活は狭いものになってしまった。ある日、二人連れの女が教会へやって来た。
一人は年をとっているが、もう
一人のほうは若い。どうやら母娘らしい。その後ろについ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
森へ散歩に出かけた。私は、何も、全く何も考えていなかったのだった。ところが、道で
一人の子供がバタをなすったパンを食っていた。 子供は私が通るのを見て、立ちどま....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
りていました。 「今日も、はあお天気になるべいてや。」 と伊作が橋を渡りながら、
一人言のようにいうと、ほかの二人も高い声で、 「そんだ、お天気になるてや。」 と....