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一代記
「一代記〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一代記の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:太宰治
仰の対象の何たるかを問わず、義の世界は、哀《かな》しいものである。 佐倉宗吾郎
一代記という活動写真を見たのは、私の七つか八つの頃の事であったが、私はその活動写....
「家」より 著者:島崎藤村
、と平素忘れていたようなことを心の底の方で私語いて聞かせた。それは殊勝気な僧侶の
一代記のようなものでは無かった。どれもこれも女のついた心の絵だ。隠したいと思う記....
「春寒」より 著者:寺田寅彦
本を読んでみた。初めの半分はオラーフ・トリーグヴェスソンというノルウェーの王様の
一代記で、後半はやはり同じ国の王であったが、後にセント・オラーフと呼ばれた英雄の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
それなら私も四谷の方へ参りますから、御一緒にお伴《とも》をしながら、山岡屋没落の
一代記をお話し申すことに致しましょう」 七兵衛は気味の悪い紙屑買いと思いながら....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
墓参をすると、いつでも帰りがけには、この仁右衛門の堂へ寄って、世間話、お祖師様の
一代記、時によると、軍談講釈、太平記を拾いよみに諳記でやるくらい話がおもしろい爺....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
んでは軍物語《いくさものがたり》であった。それには八幡太郎義家や義経や義仲などの
一代記があった。こういう本は子供のある家にはどこにもありまた土産にもしたものであ....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
年七月の歌舞伎座である。歌舞伎座では其の年の正月興行に、やはり円朝物の「塩原多助
一代記」を菊五郎が上演して、非常の大入りを取ったので、その盆興行にかさねて円朝物....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
つてくる写真を芝居小屋か招魂祭の掛小屋で見ていた。 招魂祭の掛小屋で乃木大将の
一代記というのを見た覚えがある。その写真は乃木大将の少年時代からのことが仕組まれ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
子の父親の綿松という人は、私の祖母をいいお上さん(敬称)だと言い、絵本の弘法大師
一代記をめくりつつ、私とその子に話してくれた。恐らくこれが初めて紫の雲などたなび....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
くは山谷の梅干婆に至る迄。いぬる天保の頃までは。茶呑咄しに残したる。炭売|多助が
一代記を。拙作ながら枝炭の。枝葉を添て脱稿しも、原来落語なるを以て。小説|稗史に....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
と微かに鳴っただけだった。 「今ね、ぼくの守り神の聖フェオドル・ストラチラートの
一代記を、読んでるところなんです。神様に仕えるっていうのは、なるほどあれでこそ本....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
に椿岳の生涯は江戸の末李より明治の初期に渡って新旧文化の渦動に触れている故、その
一代記は最もアイロニカルな時代の文化史的及び社会的側面を語っておる。それ故に椿岳....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
げ》に山路《やまじ》を昇《のぼ》り行く図の如きは即ち然り。(訳者曰くこれ日蓮上人
一代記八枚続の中《うち》佐渡ヶ島の図の事なり。)されど以上述べたるは皆例外の逸品....
「ろくろ首」より 著者:小泉八雲
ございます。ただ今は御覧の通りのくらしをしていますが、昔は相当の身分でした。私の
一代記は、自業自得で零落したものの
一代記です。私はある大名に仕えて、重もい役を務....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
八百蔵、猿之助、勘五郎、芝鶴ら出勤。 ○一月、歌舞伎座にて三遊亭円朝の「塩原多助
一代記」を脚色して上演。菊五郎の多助、馬の別れが大好評。それより円朝その他の人情....